Gショック…CSは菅野抜き 治療も最悪1カ月ノースロー

[ 2014年10月4日 05:30 ]

優勝セレモニーに参加せず、東京ドームから引き揚げる菅野

セ・リーグ 巨人3-6DeNA

(10月3日 東京D)
 巨人の日本一奪回に暗雲が立ちこめた。チームトップの12勝を挙げている菅野智之投手(24)が3日、右肘じん帯の部分損傷で出場選手登録を抹消された。2日のヤクルト戦(神宮)に先発したが、2回で緊急降板。同日夜に都内の病院で精密検査を受けていた。15日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(東京ドーム)での登板は絶望的。日本シリーズも厳しい状況で、菅野抜きで短期決戦を戦うことになりそうだ。

 東京ドームのロッカールームから駐車場へとつながる通路。待ち受けていた大勢の報道陣を前に、菅野は嫌がるそぶりもなく足を止め、しっかりと思いの丈を語った。

 「チームに対して申し訳ないですけど、自分のベストを尽くします。可能性があると信じて。いつ(復帰)っていうよりも自分のベストのタイミング、その中で最短で上がれるようにします」

 右肘が悲鳴を上げたのは2日のヤクルト戦の初回。先頭・山田への5球目、144キロの直球をファウルにされた際に「かなり痛かった」と激痛に襲われた。既にタイトル獲得が決定的な防御率に加え、勝利数、勝率の投手3冠を狙い、その後も投球を続けたが、球速は落ち、制球も乱れた。2回3安打無失点で降板。球団は試合直後は「腰の違和感」としていたが、腰は軽症で、むしろ、深刻だったのは投手にとって生命線の肘だった。

 当面はノースロー調整で経過を観察する。「1週間、2週間…、分からないですけど、とにかく経過を見て。投げられるようなら投げ始める、という感じ」と菅野。じん帯の部分損傷は、個人差もあるが、1カ月ほどノースロー調整を強いられる場合もある。初戦の先発が最有力だったCSファイナルステージでの登板は不可能となった。

 2年目で初の開幕投手を務めた今季はここまでチームトップの12勝。右手中指の腱の炎症から復帰後も3連勝を飾り、リーグ3連覇の立役者となった。菅野を欠くことになったチームは、先発ローテーションの再編を強いられる。初戦から4戦目までの先発は内海、杉内、沢村、小山の4人で担うことが濃厚。右肩の違和感で2軍調整している今季9勝の大竹は登板は厳しく、第5戦までもつれた場合には、初戦を託された投手が中3日で先発するか、今村や宮国、中継ぎの江柄子らが「5番手」候補となる。

 菅野はこの日、全体練習前にストレッチやウオーキングを行った。その後は原監督やトレーナーと話し合い「まだまだ諦めるわけにはいかない」と、25日からの日本シリーズでの復活を信じてリハビリを行う方針を確認。試合前に球場を後にした右腕について、原監督も「時間があるわけですから本人も一生懸命コンディションを良くするでしょう」と驚異的な回復を願った。

 先発陣の柱が不在となるCSファイナルステージ。2年ぶりの日本一を狙うチームにとって、その穴の大きさは計り知れない。

 ≪菅野これまでの故障≫ ☆背中 春季キャンプ中の今年2月8日、背中の張りを訴えてブルペン投球を回避。キャッチボールだけにとどめ「無理をしても仕方がない」。同12日に6日ぶりにブルペン投球を再開。

 ☆右手中指 今年7月16日のヤクルト戦(東京ドーム)での打撃の際に痛めた。右手中指の腱の炎症と診断され、8月4日にプロ2年目で初めて出場選手登録を抹消された。

 ☆腰 右手中指のリハビリ中の8月23日、腰の違和感を訴えてブルペン投球を回避。ぎっくり腰に近い症状だったという。復帰は9月10日の阪神戦(甲子園)まで遅れたが、同戦で7回1失点で10勝目を挙げた。

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