広島 CS地元開催へ正念場 石原、ロサリオ登録抹消危機

[ 2014年9月29日 08:30 ]

<広・ヤ>石原はベンチで試合を見つめる

セ・リーグ 広島1-3ヤクルト

(9月28日 マツダ)
 クライマックスシリーズ(CS)地元開催へ、正念場だ。広島は28日のヤクルト戦(マツダ)を1―3で落とし、シーズン大詰めで痛い3連敗。先発・福井が3回6安打3失点と乱れ、打線も1回無死満塁を逃すなど1本を欠いた。試合前には石原、ロサリオが相次いで体の不調を訴え、抹消危機に直面する苦境。勝率1厘差で2位ながら、3位・阪神とのゲーム差は0となった。

 最下位のヤクルトに痛い1敗を喫し、ベンチ裏には重苦しい空気が充満していた。丸のソロ本塁打による1点に終わった打線。野村監督はため息まじりに言った。

 「選手は一生懸命にやっている。ただ、チャンスでのアト1本。そこをクリアしないとチームの雰囲気は変わらない」

 昨季5勝を献上した小川攻略への、最大の好機は2点を追う1回にあった。1番に抜てきされた鈴木誠、菊池の連打と丸の四球で無死満塁。ところが、4番・エルドレッドが一邪飛に倒れると、松山は一ゴロ、小窪も遊飛と不発。悪い流れは最後まで尾を引いた。

 心配な奇禍も起きた。前夜、左足付け根の張りを訴えたミコライオに続き、石原とロサリオが新たに体の不調を訴え、欠場。石原は早出特打に汗を流していた際、首が固まって動かなくなり、ロサリオは鼻に菌が入って頭痛を発症したという。

 「ベンチには入っていたんだけどね。明日になってみないことには…」

 代打攻勢に打って出ようにも駒が不足しては指揮官も動けない。倉を9回守備まで引っ張ったのは、そうした事情からだ。いや、2人揃って登録抹消の懸念が拭えない。

 「そうなれば、そこのポジションを補わないといけない。頭が痛い…」

 8月31日の中日戦(ナゴヤドーム)で右大腿二頭筋を損傷した会沢が、この日から実戦に復帰した。ただ「状態がよければ使いたいけど、無理させて逆戻りさせるのも怖いからね…」。指揮官は苦悩をにじませる。

 本拠地でのCS開催へ向け、2位を死守したい大詰めで痛い3連敗。ただ、朗報もある。守護神・ミコライオに異常はなく、前頭部挫創で抹消中のルーキー・田中も29日に再登録され、戦列復帰する見込みだ。

 「選手も何とか2位で通過し、マツダでCSをやりたいと思っている。もう、やるしかない。結果を出すしかない」

 勝率差で順位こそ2位のままだが、阪神とは遂にゲーム差0となった。正念場。重い空気を振り払う快音が聞きたい。

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2014年9月29日のニュース