マー自己最悪2回途中KO「こういう形で終わって悔しい」

[ 2014年9月29日 05:30 ]

<レッドソックス・ヤンキース>怪我後、2度目の先発も2回持たず5点を奪われたところで降板となった田中

ア・リーグ ヤンキース4―10レッドソックス

(9月27日 ボストン)
 ベンチから「タオル」が投げられた。右肘のじん帯部分断裂から復帰2戦目。ヤンキース・田中の投球数は80~85球が予定されていたが、7安打を浴びて2回途中で降板。日米通算192試合目の先発登板で、1回2/3、7失点はともに自己ワーストタイ。来季に大きな不安だけを残す今季ラスト登板となった。

 「あの状況でずっと投げていたら、また変な力み方をして投げていたかもしれない。あれだけ点を取られたら、代えられてしょうがない。シーズン最後の登板がこういう形で終わってしまって、やはり悔しい」

 試合直前のブルペンで不調を感じ取っていたという。初回先頭に二塁打を浴びると、1死一、三塁から4番セスペデスに速球を左前に運ばれてあっさり先制を許した。2回は今季ここまで2つしかなかったストレートの四球が2個。さらに4安打を浴びて失点を重ねた。全50球中25球がボールと制球は乱れ、スプリットも落ちが甘く、ことごとく痛打された。

 右腕をグルグル回しながらベンチに下がったこともあり、試合後は米メディアから右肘への質問が集中。田中は「投球内容は良くないが、体の部分では大丈夫」と答え、ラリー・ロスチャイルド投手コーチも最速93マイル(約150キロ)を計測したことから「肘に問題はない。医者に見せる理由もない。長期離脱して復帰後、2度目が乱れることはよくある」と報道陣の不安を一掃した。ただ、球団内では田中が本来の投球ができない場合、再び肘に痛みが出た場合はじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切らせる考えで、その意味では手術の可能性を完全に打ち消すことができない最終登板となった。

 メジャー1年目は13勝5敗、防御率2・77。「半分しか働けていない。チーム成績にも影響した。悔しさが残るシーズン」。田中の表情に不安は見られなかったが、不満の色はあふれた。

 ≪プロデビュー戦も1回2/3で降板≫田中の楽天時代の最短降板は、プロデビュー戦となった07年3月29日のソフトバンク戦(ヤフードーム)。1回2/3で6安打に3盗塁を許し、6失点。わずか57球で降板した。楽天時代の最多失点は7。5試合で記録し、内訳は日本ハム戦が3試合で、ロッテ、西武戦がそれぞれ1試合。また、先発で5回を投げられなかったのは08年10月1日の日本ハム戦以来、6年ぶり。

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2014年9月29日のニュース