Gのアシストしちゃったけど…福留 絶好調V弾!甲子園CSへ1・5差

[ 2014年9月27日 05:30 ]

<神・広>6回1死一、二塁、福留は中越えに逆転3ランを放つ

セ・リーグ 阪神4-3DeNA

(9月26日 甲子園)
 直前で広島ベンチが左腕の戸田を投入した。6回に1―3と追い上げて、なお1死一、二塁。右打者の代打策が頭をよぎったはずだが、阪神・和田監督は動かない。9月に入って試合前まで打率・327、3本塁打と好調なら、そのまま福留だ。

 「この時期はもう右だ左だと言ってられない。練習では左投手の球もちゃんと打っているしね。あそこは、真っすぐ狙い一本でいきました。1、2の3で、変化球ならごめんなさい…です」

 ボール球の外角スライダーを2つ見送って、やっときた3球目のストレート。外角低めの141キロに腕をめいっぱいに伸ばして中堅バックスクリーンに放り込んだ。日米通算250本塁打に王手をかける9号3ラン。PL学園時代から通じて、甲子園で放った20本目でもあった。

 「あっ、そうなの? ふだんは、すんげえソンする気分になる球場だけどね」。この時期、左打者を泣かせる右から左の浜風ではなくなることが多い。この日も風向きを示す旗は左から右に逆になびいていた。

 ペナントレースの勝敗が決する非情な9月はまた、別れに直面するセンチメンタルにもなる季節だ。中日入団時の監督だった星野仙一監督が、楽天を今季限りで勇退する。「ほめられるよりも怒られるばかりだったかな。でも野球のプレーには厳しかったけど、ユニホームを脱げば親身になってくれる。この世界に入れたのも、今があるのも、星野さんのおかげだし、1年目からどんなことがあっても使ってくれた」

 その中日からメジャーリーグへ―。そして帰国後に入団した阪神で、現在はCS甲子園開催が可能となる逆転2位を目指している。9本のうち、広島戦で4本目。ファーストステージでも期待値は高い。「選手は全員まだ諦めていません。残り4試合すべて勝つしかないので頑張ります」。結果的に巨人の3連覇をアシストしたが、広島に1・5ゲーム差に迫る価値ある一発だった。

 ▼阪神・藤浪(新人だった昨季を上回る11勝目)もがき苦しみながら、勝ちを付けてもらいながら投げ切ったシーズン。

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2014年9月27日のニュース