ゴメス どや顔V弾 4番の意地、打点王独走「107」

[ 2014年9月25日 05:30 ]

<D・神>9回無死一塁、ゴメスは左越えに勝ち越し2ランを放つ

セ・リーグ 阪神6-4DeNA

(9月24日 横浜)
 4番の意地がさく裂した。阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が24日、DeNA戦(横浜)で9回に決勝の26号2ランを放った。初回には先制適時打を放ち計3打点。107打点としリーグトップを独走する。前日は2併殺打など好機で凡退した悔しさを晴らし連敗を2で止める活躍。2位の広島が敗れてゲーム差は1・5に。雨にも負けず甲子園でのクライマックスシリーズ(CS)開催の夢はまだ諦めない。

 勝利の女神が舞い降りるかのように、降っていた雨がピタリと止んだ。三上の投じる白球にだけ集中できる環境を、天がつくってくれたのだろう。今打たずして、いつ打つんだ―。弾かれた打球は虎党で黄色く染まった左翼スタンドへ一直線。ゴメスが雨上がりの夜空に美しいアーチを描き決着をつけた。

 「(本塁打は)打った瞬間はどうかなと思ったけどね。雨の中、応援してくれてありがとう。阪神ファンが大好きです」

 感謝と意地が生んだ26号決勝2ランだった。4―4の9回無死一塁で迎えた第5打席。2球で追い込まれたものの簡単には屈さない。1ボール2ストライクからの際どい内角スライダーもしっかりと見切った。続く5球目。外角へ逃げるスライダーに必死に腕を伸ばし、食らいついてみせた。

 「過去は終わったことだから考えずに、きょうはまた新しい一日だと思って臨んだよ。自分のできることをやろうとね」

 前日は攻守に精彩を欠いた。6回1死一、三塁の先制機で三ゴロ併殺打に倒れ、1点リードした8回2死一、三塁は中飛に終わるなど走者を置いてことごとく凡退。加えて9回1死からの守備では失策を犯し、直後のブランコのサヨナラ弾につながった。ただ、失敗を引きずるようなヤワな男では猛虎の4番は務まらない。一夜明け、相手助っ人のブランコに負けない働きで、汚名を返上した。

 「初戦は走者を置いた場面で打てなかったけれども、きょうは1打席目からいい結果を出せた」

 ヒーローの予感は初回からあった。2死三塁で迎えた第1打席で先発の山口から幸先よく先制適時打。序盤の好機をポイントゲッターは見逃さず、最後は勝利を呼ぶ込む放物線。ゴメスに始まり、ゴメスに終わった夜だった。

 降雨の影響によって試合は予定より30分遅れでスタートしたが、動じる様子もない。三塁ベンチでの待機中、坂や荒木と談笑し、リラックス。この絶妙な気分転換が、セ界の打点王を独走する107打点へと結びついた。

 「これからもしっかり戦っていきたい」。泣いても笑っても、残り6試合。必ず本拠地でのCS開催で巨人への挑戦権を得る―。それまでは、ひたすらに快音を響かせ続けるだけだ。

 ≪14本が肩書付きの殊勲アーチ≫ゴメス(神)が同点の9回に勝ち越し2ラン。今季は26本塁打のうち、半分以上の14本が肩書付きの殊勲アーチで、セ・リーグでは丸(広)の15本に次いで2番目の多さだ。また、初回の先制適時打と合わせ、殊勲安打は両リーグ最多の32本。4番らしい勝負強さでチームに貢献している。

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