ヤクルトドラ1杉浦 チーム135戦目で「やっと」プロ初勝利

[ 2014年9月25日 05:30 ]

<ヤ・広>プロ初勝利を挙げた杉浦

セ・リーグ ヤクルト12-3広島

(9月24日 神宮)
 うれしかった。ホッとした。どっちも本音だ。ヤクルトのドラフト1位ルーキー・杉浦は、ようやく手にしたウイニングボールを大事そうにポケットにしまい込んだ。

 「やっと勝てたなあって感じですね。今年中に勝ちたかったので…。最高です」。プロ入り3度目の登板で、チーム135試合目にしてつかんだプロ初勝利だった。

 雨のために試合開始が30分も遅れた。初回。5球投げたところで再び8分間の中断。再開直後には広島・菊池に先制弾を浴びた。その後も3、4回に被弾。それでも「とにかく集中力を切らさずに投げようと思ってた」と粘った。5回を97球、失点は3発の3点。打っては4回に野村から左翼フェンス直撃の同点二塁打を放った。プロ初安打初打点は「バットに当たってびっくりした」。直後に山田の勝ち越し3ランなど一挙5点を奪った打線の奮起を呼ぶ一打に「投球より打撃の方がきょうは良かった」と苦笑した。

 ルーキーイヤーは、いきなりキャンプ終盤に右肘を痛めた。じん帯を断裂。2カ月弱もボールを投げられなかった。「プロになったのに何をやってるんだろう」。走るだけの毎日にもどかしさが募ったという。そんなとき、同じ埼玉・戸田の2軍施設でリハビリをしていた昨年の新人王・小川の姿を見て学び、忍耐強い道産子は地道にリハビリに励んだ。

 「ウイニングボールは両親に贈りたい」。遅ればせながら、杉浦の笑顔が今季最高の輝きを放った。

 ◆杉浦 稔大(すぎうら・としひろ)1992年(平4)2月25日、北海道生まれの22歳。帯広大谷から国学院大に進み、3年春の東都リーグ1部昇格に貢献。1部通算12勝と活躍した。13年ドラフト1位でヤクルト入団。3月に右肘じん帯断裂の重症を負ったが、9月10日のDeNA戦(横浜)で初登板。1メートル89、86キロ。右投げ右打ち。

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