菅野 12勝!打って投げて復帰後3連勝 投手3冠射程

[ 2014年9月25日 05:30 ]

<中・巨>5回1死一、三塁、投前にスクイズを決める菅野

セ・リーグ 巨人4-1中日

(9月24日 ナゴヤD)
 充実感よりも安ど感が先に出た。12勝を挙げた巨人・菅野の素直な心境だった。

 「調子は良くなかった。真っすぐが抜けていて、途中から変化球中心にした。その中でカーブをうまく使えた」

 3回から球速が落ちた。降板する6回まで、140キロを超えた直球はわずかに3球。代わりに、女房役の小林と対策を練った。多投したのはカーブ。3回から6回までの46球中、13球を投げ、中日打線を翻弄(ほんろう)した。

 象徴的だったのは4回1死一塁。森野に対し、3ボール1ストライクから、この打席2度目のカーブでカウントを奪う。フルカウントに持ち込むと、最後は外角低めに139キロ直球を決めて見逃しの三振。川口投手総合コーチも「うまく緩急を使っていたね」と投球術に目を細めた。

 6回3安打無失点。この日は77球と余力を残して降板した。球速が落ちていたこともあって心配させられたが、原監督は「(継投は)チームのベスト(な選択)というところ。特に(故障は)ないです」と断言した。

 菅野はこう話す。「ここに投げたらここに飛ぶだろう、と計算してできた。得るものもあった」。右手中指の腱の炎症で離脱中にも、重点的に走り込んで体重を4キロ絞り込み、体の切れが増した。どんな場面でも向上心を持つ姿勢は変わらない。

 故障から復帰後、自身3連勝でハーラートップにも1差と迫った。トップを守った防御率、勝率も含めた投手3冠も現実味を帯びてくる中、菅野は「名古屋で胴上げできればと思います」と言葉に力を込めた。

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