呉昇桓、ゴメスがまさか…投打の軸共倒れで“今季終戦”

[ 2014年9月24日 05:30 ]

<D・神> 9回1死一塁、ブランコに逆転サヨナラ2ランを打たれた呉昇桓は力なくベンチへひきあげる

セ・リーグ 阪神1-2DeNA

(9月23日 横浜)
 阪神のリーグ優勝の可能性が完全に消滅した。阪神は23日のDeNA戦(横浜)に今季6度目のサヨナラ負け。1―0の9回に呉昇桓投手(32)が初のサヨナラ被弾。攻撃でもマウロ・ゴメス内野手(30)が2併殺打で、9回の守備では失策。投打で軸となってきた「守護神」と「4番打者」が共倒れしての今季終戦だった。

 声を失った。打たれた呉昇桓も、ベンチにいた和田監督もボー然と打球の行方を見つめるだけだった。勝利まであとアウト2つとなり、1分前まで六甲おろしを歌い叫ぶ準備をしていた虎ファンもしばらく動けない…。何が起こったのか信じられない様子だった。

 「ボールがいいとか、悪いとかではなく打たれてしまったんで…。それがいけない。(ブルペンでの調子は)いつも通り。ただ失投とか関係ない。コースが甘かったとかも。結果的に打たれてしまったんで」

 1―0の9回1死一塁でブランコを迎え、1ボールからの内角高め速球を弾丸ライナーで左翼席に運ばれた。呉昇桓にとって3度目のサヨナラ負けで、初のサヨナラ被弾。来日1年目の外国人投手では最多となる36セーブは、直前で消えた。

 敗戦投手で4敗目となった呉昇桓一人を責めるような試合展開ではない。悪夢の前兆は攻撃陣がもたらしていたとも言える。直前9回の攻撃は無死一塁から福留はバント失敗を繰り返した。1ボール2ストライクと追い込まれ、最後は空振り三振。スタートを切っていた一塁代走の荒木は完全にスタートが遅れながらも憤死。この試合、4つ目の併殺となっていた。

 拙攻の象徴はゴメスだ。初回2死一塁で空振り三振に倒れると、4回無死一塁と6回1死一、三塁ではいずれも三ゴロ併殺打。8回は1点を先制して、なお2死一、三塁で中飛。さらに9回の守備では筒香の一ゴロをファンブルして出塁を許すと、その2球後にブランコに一発を食らった。左翼のマートンに代えて俊介を守備固めに入れていたが、ゴメスはそのままだったベンチワークもクローズアップされることになった。

 「自分のミス。(久保には)打席ごとにタイミング、スピードを変えられた。何とかストライクを打っていこうと思ったんだけど…。ああいう形になってしまった」

 呉昇桓の35セーブも、ゴメスの104打点もタイトルは確実。ここまで投打の軸としてチームをけん引してきた「守護神」と「4番打者」が崩れてのペナントレースの終戦は、ある意味象徴的ともいえよう。ナイターで巨人が勝利して、優勝の可能性は完全に消えた。2位狙いに切り替えることになるが、その広島との差も2・5ゲームに広がり、絶望的だ。和田監督の目も真っ赤に充血していた。

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2014年9月24日のニュース