阪神「岡田監督」再登板も 和田監督退任なら…水面下で準備

[ 2014年9月23日 05:30 ]

阪神の次期監督候補に浮上した岡田氏(左)右は和田監督

 阪神が、3年契約最終年の和田豊監督(52)と来季契約を結ばない場合の次期監督として、元監督の岡田彰布氏(56=野球評論家)の再登用を視野に入れていることが22日、分かった。球団は和田監督の続投を基本方針としているが、最終決定には至っていない。戦力編成など新シーズンに向けた動きも急がれ、水面下でもう一つのシナリオの調整に入った。

 和田監督の去就については、結論がポストシーズン終了後に持ち越されることが既に濃厚となっている。8月末に来季続投の球団方針が明るみに出た後、チームは一時急失速し、9年ぶりの優勝からは遠ざかった。それでも、ここにきて3カード連続の勝ち越し。本拠地でクライマックスシリーズ・ファーストステージを戦える2位フィニッシュ、そして日本一という最終照準をにらむ。

 17日の編成会議出席後に「僕は同じ。ずっと(続投と)言っている。変わっていない」と語った南信男球団社長(59)は、翌18日に坂井信也オーナー(66)と会談。監督人事については、慎重に推移を見守る方針が確認された。しかし、一方で「待ったなし」の状況となっているものもある。

 来季を見据えた戦力編成などの動きだ。球団が和田監督に続投を要請する場合についても、ヘッドコーチ、2軍監督などの要職刷新を条件とすることが判明しているが、「続投せず―」なら準備のいっそうの遅滞は免れない。球団幹部の1人はこの日、「もう時間がない」と口を開いた。

 もう一つのシナリオを想定しておく必要に迫られ、浮上してきたのが岡田彰布氏の名前だ。球団が招へいに動き、同氏が受諾すれば、2004~08年に監督を務めて以来の阪神復帰となる。

 金本を不動の4番に据え、救援トリオ「JFK」を確立して05年にリーグ優勝。手堅く、かつ信念に基づくタクトで06、08年を合わせた3度の年間80勝以上を達成した。「勝負勘が鋭く、勝てる監督」として定評があり、ここ一番を勝ちきれない課題を抱えるチームの変革には、その手腕が生きるはずだ。10~12年のオリックス監督時代は3年連続Bクラスに甘んじたが、残した戦力は今季躍進を支えている。オリックス退団後は評論活動を展開。猛虎への厳しくも温かいメッセージをお茶の間に届けてきた。

 グラウンドには、秋をもう一度熱くしようというナインがいる。17日には、南球団社長が和田監督を「残り試合、全部勝て」と強く激励。虎将もそれに応えて「一戦一戦という気持ち。目の前の試合に集中する」と語った。続投か。華麗なるカムバックか。現状、来季監督に関する動きは水面下のものでしかない。

 ◆岡田 彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日、大阪府生まれの56歳。北陽(現関大北陽)から早大を経て79年ドラフト1位で阪神入団。80年に新人王。85年には球団初の日本一に貢献した。94年オリックスに移籍し、95年に現役引退。通算成績は1639試合で247本塁打、836打点の打率・277。その後はオリックス、阪神のコーチを経て、04年阪神監督就任。05年にリーグ優勝を果たした。08年に辞任。10年から12年まではオリックス監督を務めた。

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