稲葉同点打!“ジャンプ”発祥の地・コボスタ宮城最多観客に応えた

[ 2014年9月22日 08:46 ]

<楽・日>9回1死二塁から稲葉は右中間に適時打を放ちガッツポーズ

パ・リーグ 日本ハム12-10楽天

(9月21日 コボスタ宮城)
 走馬灯のように思い出がよみがえる。最後のコボスタ宮城。スタンド全体のジャンプで打席に迎えられ、日本ハム・稲葉は胸を熱くした。

 「ここにはいろんな思い出があるし、最後なんだなあ、と。寂しい気持ちになった」

 一昨年に2000安打を記録したこの地は、稲葉にとって特別な場所だ。思えば06年。まだ春先で寒かったスタンド(当時はKスタ宮城)で、一部のファンが寒さしのぎに跳びはねたのが稲葉ジャンプの始まりだった。あれから8年…。発祥の地で迎えた最後の打席。くしくも同球場開場以来、最多の観客数を記録した2万6108人の大ジャンプに応え、万感の思いを込めてバットを振った。

 1点を追う9回1死二塁だった。代打で登場すると、2ボール2ストライクからの6球目。149キロの直球にも力負けしない。打球はワンバウンドで中堅フェンスを越えていった。同点のエンタイトル二塁打。「ヒットを打てて、いい思い出になった」。20年間の現役に終止符を打つ42歳の感謝の一打。それは最後に中島の勝ち越し打を呼び、4時間26分の乱打戦にケリをつける殊勲打となった。

 「彼の姿勢、経験、ボールの見極めがこういう結果を生む。若い人に見てほしい」。栗山監督は絶賛した。実は1死から代打・杉谷が内野安打した直後、代打に向かう前に稲葉は「走らせますか?」と指揮官に確認。2球目の二盗を空振りで援護した。大ジャンプに心を熱くし、打席の中で頭は冷静に。稲葉だからできる打撃だった。

 「一つ勝つことの苦しさが分かった試合。大きな1勝だと思う」。残り11試合、そしてCSへ。稲葉は思いを込めて打ち続ける。

 ▼日本ハム・中島(同点の9回1死二、三塁から中前へ決勝の2点適時打)二遊間を抜けてくれてホッとした。

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