イチロー名人芸“ロブショット”2安打 外野と遊撃手の間ポトリ

[ 2014年9月22日 05:30 ]

<ヤンキース・ブルージェイズ>4回、遊撃への安打を放つヤンキースのイチロー。投手ストローマン

ア・リーグ ヤンキース3―6ブルージェイズ

(9月20日 ニューヨーク)
 ヤンキースのイチロー外野手(40)が20日(日本時間21日)、ブルージェイズ戦に「8番・右翼」で先発出場し、今季23度目の複数安打を放った。VTRのように遊撃後方に落とす2安打。イチローならではの高い打撃技術で今季の通算安打を95本とした。日米合わせた21年連続のシーズン100安打へ、残り8試合で5本。たくみの技で節目の記録に近づいた。

 イチローはピンポイントでその場所を狙っていた。4回、1ボール2ストライクと追い込まれたが、93マイル(約150キロ)の内角速球を遊撃後方に打ち上げ、左翼手と遊撃手がぶつかりそうになるほど、ちょうど間に落とした。6回にも1ボール1ストライクから92マイル(約148キロ)の内角速球を遊撃後方へ打ち上げ、中堅手との間に落としてみせた。

 「別に特別なことではない。追い込まれてからのインサイド(内角球)をショートの上に持っていく。それさえできていれば、いろんなことがカバーできる」

 イチローの高等技術。ゴルフのロブショットに例えれば、分かりやすい。短い距離のアプローチショットでボールを高く、フワッと打ち上げてピンの近くに止める。イチローも同じように打ち上げ、外野と遊撃手のちょうど間に落としている。ただ止まっているボールを打つゴルフとは違う。150キロ前後の速球を打ち返した上で、飛距離まで計算している。

 「22、23歳くらいからずっとやってきた。僕が目指している形ですから」。イチローは内角速球をバットの芯ではなく、根っこの部分にわざと当て、打球を詰まらせることで逆方向に打ち上げている。この日、2本目は1本目よりも2メートルほど中堅寄りで、遊撃手のグラブをかすめて落ちた。「(1本目と)同じように2本目もいっていればね、狙い通りに。ショートが届く位置だったから。1本目は理想と言えば理想だったんだけど」。どこまでも理想は高い。積み上げた安打は日米通算で4115本となった。

 ≪23年連続が最多≫大リーグで100安打以上の連続記録は、歴代最多の通算4256安打を誇るピート・ローズの23年連続が最多。タイ・カッブ、ハンク・アーロンらが20年で続く。

 ≪日本では王の21年連続が最多≫日本では王貞治の21年連続が最多。イチローは現在20年連続で、張本勲と並ぶ2位。残り8試合で5安打を放てば、王と並ぶ21年連続100安打以上となる。

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2014年9月22日のニュース