巨人M5!原監督 小山を変えた一言「四球は出してもいいんだよ」

[ 2014年9月21日 05:30 ]

<巨・ヤ>勝利投手となった小山(右)と話す巨人・原監督

セ・リーグ 巨人4-2ヤクルト

(9月20日 東京D)
 巨人の小山雄輝投手(25)が20日、ヤクルト戦に先発し、8回を5安打1失点で自己最多を更新する6勝目を挙げた。4年目右腕の快投で優勝へのマジックナンバーは1つ減って「5」となると同時に、3位以内が確定し、セ・リーグ一番乗りで8年連続のクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。最短Vは24日。原辰徳監督(56)の助言で急成長した小山はCSの先発候補にも挙げられた。

 すっかり板についてきたお立ち台。小山は東京ドームの景色を一段上から堪能していた。

 「マジックが点灯している中で投げさせてもらって緊張しました。巨人にいるからこそ、できる経験。凄くうれしい」。

 今までと違った投球でも勝つことができた。「大丈夫かなと心配になったくらい」フォークのサインが出なかった。120球中35球で3割弱。前回13日DeNA戦(東京ドーム)では約4割を占めた宝刀を控えた。リードした阿部が「向こうが勝手に(フォークの)意識があるかなと思って」と説明したように、直球を主体にして4回まで完全投球。ヤクルト打線の狙いを逆手に取り、8回を1失点に抑えた。

 プロ4年目。過去3年間で2勝だった男が、先発ローテーションの一角を担うまで成長した。その裏には原監督の魔法のような助言があった。8月5日DeNA戦(新潟)で4回5失点。初回、ブランコの2ランなどで3点を奪われた。試合後、宿舎の食事会場で原監督に呼ばれ、語りかけられた。直立不動だった。

 「本塁打と四球、どっちが嫌なんだ?四球は出してもいいんだよ」。小山からすれば本塁打も四球も嫌だが、四球は相手打者から逃げた印象を与え、無駄な走者を許すことにもなる。原監督も嫌うが、四球を恐れて真ん中にボールが集まる小山の姿を見て救いの手を差し伸べたのだ。この一言で気持ちが楽になった。

 「四球を出さないように意識しすぎて窮屈になっていた。監督に言っていただいて考え方が変わった」。ボールカウントを気にせずに腕を振れるようになり、ストライクゾーンも広く使えるようになった。この日も6回に1点を返され、なお2死一塁。バレンティンを迎え、真ん中高めに144キロ直球を思い切って投げ込み、右飛に抑えた。

 11日に優勝マジック16を再点灯させてから8試合で11も減らし、5になった。「非常に現実的な数字が我々の前に来た」と原監督。リーグ3連覇を果たせば10月15日から東京ドームでCSファイナルステージを戦う。指揮官が「今一番安定感がある」と絶賛した小山を、川口投手総合コーチも「(CSでの先発は)当然あるよ」と言った。小山は今季、本拠地で無傷の5勝と頼もしい。内海、杉内、菅野に続く先発4番手を沢村と争う。

 「(午後)6時から美容院の予約があるんですよ」。優勝争いの重圧の中で結果を残した25歳の足取りは軽かった。

 ≪8年連続CS≫小山(巨)が8回1失点で今季6勝目。東京ドームでは8試合に先発し、5勝0敗、防御率1・69と抜群の内容。同球場で今季5勝は大竹(4敗)、菅野(1敗)と並び最多だ。東京ドームでシーズン無傷の5勝以上は94年石毛5勝、95年宮本5勝、09年ゴンザレス8勝といるだけ。小山が連勝を伸ばせるか。なお、この日の結果、巨人の3位以内が確定し、セ・リーグ一番乗りで8年連続8度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。また、マジックは広島が勝ったため1つ減って5。最短優勝日は24日となった。

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