藤浪 セで江夏以来の高卒2年連続2桁だ「自分の仕事を全う」

[ 2014年9月19日 05:30 ]

笑顔で練習する藤浪

 2年連続10勝で、甲子園でのクライマックスシリーズ(CS)開催へ弾みを付ける。19日からの4位・中日との3連戦(甲子園)の先陣を切る阪神・藤浪晋太郎投手(20)が18日、逆転2位に向け固い決意を口にした。2位・広島とのゲーム差は1・5。阪神が勝つか引き分けて広島が敗れれば、自力2位の可能性も復活する。本拠地でのCS開催に向け、背番号19が猛虎に勢いを呼び込む。

 コイの背中をはっきりと視界にとらえている。ゲーム差は、わずかに1・5。リーグ優勝が絶望的な状況とはいえ、一つでも上の順位を目指して戦い続けるのが、プロ野球選手としての使命。だからCS進出圏内で、安住していてはいけない。甲子園での指名練習を終えた藤浪の言葉も熱を帯びる。

 「やっぱり、2位と3位は気分的に違う。上に立って終わりたい。沈んで終わるのと、引っ繰り返して浮いて終わるのとでは、違うので」

 昨年はシーズン佳境の9、10月で10勝18敗2分けと失速し、かろうじて2位を死守。何とか甲子園でのCS開催を勝ち取ったが、ファーストステージでは阪神と対照的に9、10月を16勝9敗1分けで勝ち抜いてきた広島に2連敗を喫した。シーズン終盤に「沈んだ」2位・阪神と「浮いた」3位・広島の勢いの差は歴然だった。その初戦に先発し、勢いの差を身をもって体験したからこそ、言葉に重みがある。

 「2ケタというより、毎試合、勝ちたい。自分の仕事をまっとうできるようにしたい」。目下9勝。個人記録は二の次ながら、以前から「最低限10勝には乗せたい」と話していた。勝てば、ドラフト制以降では00年の西武・松坂大輔(現メッツ)以来、史上6人目となる高卒新人の入団年から2年連続2ケタ勝利を達成する。セ・リーグでは68年の阪神・江夏豊以来21世紀初の快挙で、ラストスパートの口火を切ることができれば、最高だ。

 藤浪の力投で2位の芽が再び見えてくることになれば、チームも、ファンも再び、盛り上がることは確実。すでにシーズン規定投球回を突破。その体に疲労は蓄積されているが、背番号19の言葉は、あくまで力強い。「疲れがまったくないと言えばウソになるけど、若いですし、シーズンも残り少ないので、しっかりと気合を入れて投げたい」。その背中が、心強い。

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2014年9月19日のニュース