青木伝説3連戦11安打 監督が“殿堂入り”即決

[ 2014年9月19日 05:30 ]

3連戦で11安打の活躍の青木(右)は、チームメートにスポーツドリンクをかけられ祝福される

ア・リーグ ロイヤルズ6―2ホワイトソックス

(9月17日 カンザスシティー)
 ロイヤルズの青木宣親外野手(32)が17日(日本時間18日)、ホワイトソックス戦で3安打をマーク。この3連戦で計11安打を放ち、通算3154安打で殿堂入りしているジョージ・ブレットらが持つ球団記録を32年ぶりに塗り替えた。チームは快勝し、この日敗れた地区首位タイガースとのゲーム差も0・5に肉薄。29年ぶりの地区優勝へ、19日(同20日)から本拠地での直接対決3連戦に臨む。

 スタンドからの「No―ri!No―ri!」という大合唱が鳴りやまなかった。8回1死での青木の第5打席。81年にジェリー・レミー(レッドソックス)らがマークした同一カード3連戦12安打という大リーグ記録が懸かっていた。惜しくも三ゴロに倒れたが、スタンディングオベーションに迎えられ、ヘルメットを掲げて応えた。

 「信じられないです。こんなに自分の名前を呼んでもらえるとは。優勝争いの中で、声援が力になっています」。ヒーローインタビューでそう感謝した青木は、最後に英語で「サンキュー、ソーマッチ!」と絶叫した。

 2試合連続の4安打で迎えた第3戦。大リーグ屈指の左キラーと称される長身左腕セールに対し、初回に右翼線二塁打を放つと、1点を追う3回1死一塁では左前打でチャンスを広げて続くケーンの逆転3ランを呼び込んだ。4回には中前へ運び、前日から7打席連続安打。試合前まで防御率1点台でサイ・ヤング賞候補に挙がる左腕を攻略すると、6回は2番手投手から四球。3連戦で13度の出塁は、大リーグで5年ぶりのことだ。

 これまでの3連戦での球団最多安打は、80年のウィリー・ウィルソンと82年のジョージ・ブレットがマークした10本。2人は80年代に黄金時代を築いたレジェンドだ。ロ軍一筋で殿堂入りも果たしているブレット球団副社長からは、キャンプ中に打撃指導も受けた。青木は「偉大な選手だが、身近な存在。これで関係性も深くなった気がする」と笑みをこぼした。

 メジャーでは絶好調男を「Red Hot」と表現するが、ネド・ヨースト監督は「今の彼は爆竹より熱い」と目を細めた。球団も快挙をたたえ、この日着用した背番号23のユニホームを球団の殿堂に展示することを即決した。13日に今季初めて2番に座ってから21打数13安打、打率・619。シーズン打率も5月25日以来の2割8分台(・281)に乗せた。19日はオフ。「母親も来ているし一日ゆっくり過ごす。次の戦いが今年を左右する。何とかここを勝たないといけない」。85年以来の地区優勝へ、首位タイガースとの最後の天王山。「爆竹より熱い」青木が最高の弾みをつけた。

続きを表示

2014年9月19日のニュース