どや西岡!阪神・関本 V二塁打 前日の“挑発”見返したった

[ 2014年9月16日 05:30 ]

<ヤ・神>8回1死二塁、代打・関本は右中間に適時二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神5-3ヤクルト

(9月15日 神宮)
 代打の神様が意地を見せた! 阪神・関本賢太郎内野手(36)が15日のヤクルト戦(神宮)で決勝打を放ち、2連勝に導いた。連勝は8月17日から21日にかけて4連勝して以来。同点の8回1死二塁から代打出場し右中間に適時二塁打した。2位・広島が勝ったため、ゲーム差は2・5のままだが、本拠地・甲子園でのクライマックスシリーズ開催へ望みをつなぐ逆転勝利となった。

 イジられっぱなしで終わっていたら「神様」の名がすたる。8回1死二塁。打席へ向かう代打・関本の背後には、次打者席へ向かう西岡の姿があった。オレが決めてやる―。集中力を極限まで引き上げると、ナーブソンの初球カットボールを無心で振り抜いた。

 「狙ってはない。甘い球が来たからね。追い込まれたらしんどいので、早めに仕掛けていくつもりだった」

 高々と舞い上がった右中間への打球は、中堅手・雄平が懸命に伸ばしたグラブをかすめる決勝の適時二塁打。思えば、5月4日の神宮でも、同じナーブソンから決勝の中越え二塁打を放っていた。今季、神宮では7打数4安打4打点。打率・571という好相性も見逃せないが、それ以上に闘志をかき立てられる理由があった。

 「その挑発にはカチンと来てたよ。(西岡)剛には絶対に決勝打を打たさんとこう、と(笑)」

 あえて厳しい言葉で後輩を突き放しにかかったが、満面のドヤ顔までは隠せなかった。前日14日の広島戦で代打出場し右中間を破る適時三塁打した西岡に「僕だから打てたと思いますけど。セキさんと新井さんだったら、シングルヒットだったでしょうね」と、お立ち台から挑発されていた。もちろん「西岡節」は代打の先輩として助言をくれる関本に対する感謝の思いでしかない。一夜明け、関本流の冗談で返せたのも、チームが勝ったからこそだ。

 9月15日は、2003年に18年ぶりリーグ制覇を決めた日でもあった。「プロに入った時からマウンドに集まって抱き合うもんやと思ってたのに、オーロラビジョンに向かって走っていくとは思わんかった」。阪神がデーゲームで広島にサヨナラ勝ちし、対象となるヤクルトの敗戦をベンチで見届けていたために起こった現象…。胴上げの瞬間は幾分戸惑ったが、今では良き思い出だ。先輩たちが導いてくれた優勝の2文字。立場は変わりベテランと呼ばれるようになった。今度は自分たちが後輩を導く番。優勝は絶望的でも、ポストシーズンを勝ち抜く可能性は残されている。

 9月に入って初の連勝。2位・広島も勝ったためゲーム差は2・5のままだが、甲子園でのCS開催の可能性は、まだ諦めていない。シーズンは残り13試合。「必死のパッチ」で過ごす日々は、まだまだ終わらない。

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