阪神3位も危ない…1番マートン、ビハインドで呉昇桓初投入も5連敗

[ 2014年9月11日 05:30 ]

<神・巨>9回1死三塁、代打・矢野の中犠飛で片岡(左)が生還し、ガックリの呉昇桓(オ・スンファン)

セ・リーグ 阪神1-3巨人

(9月10日 甲子園)
 出直し失敗…。阪神は10日の巨人戦(甲子園)も1―3と完敗。2年ぶりとなる「1番・マートン」で打線のテコ入れを図り、「ビハインドで守護神投入」という執念のタクトを振っても、勝利は遠かった。今季ワーストタイの5連敗を喫し、4位・DeNAとのゲーム差は3・5差。「Bクラス」の足音が、ひたひたと近付いてきた。

 前夜より1500人以上多い、4万2934人の大観衆が詰めかけた。「優勝」の2文字が絶望的となった現状でも、虎党は希望を捨ててはいない。それならば、猛虎ナインはその期待に応えないといけなかった。だが…。勝利は遠かった。

 「ここ数試合、点が取れなかったからね。どうするか、というところでの(判断)。マートンならヒットで出るだけでなく、長打もある打者。1番の経験もあるし。クリーンアップの前に塁に出して、つなげたい、という気持ちだったけどね」

 低迷打開を狙い、和田監督は攻めのタクトを振るった。この日は2年ぶりに「1番・マートン」がオーダー表に名を連ねた。8月以降、前日9日までの32試合で初回の先頭打者出塁はわずか8度。幾度となく「打線の仕掛けが遅い」とこぼしてきた指揮官が組んだ超攻撃型オーダーだった。

 それが、初回に機能した。マートンが中前打で出塁。上本の犠打で二塁へ進み、鳥谷の二塁打で先制した。なおも続いた1死二塁の好機ではゴメス、新井が凡退。とはいえ、指揮官が試合前に描いたであろう、理想的な展開に思えた。

 「流れとしては、もうひと息。(1番・マートンで)ちょっと違う風が吹いたのは吹いたけど、チャンスであと一本というところがね…。あそこ(6回)でもう1点取っていたら、展開が変わってくるんだけどね」

 ところが…。2回以降はゼロ行進。6回には目を覆いたくなるような拙攻も待っていた。先頭のゴメスが三塁打。犠牲フライでも追加点の好機を迎えた。続く5番には、こちらも打線テコ入れ策として新井を起用していた。最低でも外野フライ―。そんな虎党、そして指揮官の願いも、届かなかった。新井は三ゴロ。さらに福留が二ゴロ、伊藤隼が三塁ファウルフライに倒れ、まさかの無得点。試合の流れを、完全に相手に明け渡した。

 それでも、最後まであきらめない。1点ビハインドの9回1死三塁の窮地では、劣勢で呉昇桓(オ・スンファン)を初投入。「何とか最少失点、最少得点差で次の回を迎えたかったけど。後から行く投手が苦しい場面の登板になってしまった」。その采配には執念が詰まっていた。だが、あと一歩及ばなかった。

 これで巨人とは6・5ゲーム差。いや今や上を見ている状況ではない。4位・DeNAとも、わずか3・5差。「“何かを起こす”そういう気持ちを忘れないように明日も臨みたい」と指揮官。“何か”を起こされないためにも、目の前の試合を勝っていくしかない。

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