マー君 今季中復帰に現実味 実戦投球9人完全5K「数段上がった」

[ 2014年9月11日 05:30 ]

<ヤンキース・レイズ>試合前、3イニングのシート打撃に登板した田中

 右肘じん帯の部分断裂で故障者リスト(DL)入りしているヤンキース・田中将大投手(25)が9日(日本時間10日)、ヤンキースタジアムで実戦を想定した打撃練習(シミュレーションゲーム)に登板。打者9人に計44球を投げ無安打、5三振を奪った。ジョー・ジラルディ監督(49)はもう一度実戦的な投球練習を経てからメジャー復帰させる意向を示し、19~21日(同20~22日)のブルージェイズ戦で復帰する可能性が高まった。

 ようやく今季中のメジャー復帰にメドが立った。田中の言葉も熱を帯び、力強かった。

 「全ての球が精度も含めて数段上がったかな、という感じ。何より投げている感覚が、試合レベルのものになってきた」

 3回(1イニング15球)を想定し、捕手とサイン交換しながらカウントも取る実戦形式の投球で44球。チェンジアップ以外の全球種を投げた。右打者と左打者を相手に計9打席で鋭い当たりを一本も許さず、5三振を奪った。メジャー通算152本塁打のヤングは2つの空振り三振を喫し、「本気で打とうとトライしたが、スプリットをはじめ変化球は以前同様に素晴らしい」と振り返った。

 8月28日のシミュレーションゲーム後は「全ての球が良くない。こんな状態では(メジャーで)投げられるとは思っていない」と不満を漏らした田中。翌29日には右腕全体の張りを訴え、1週間の強化トレーニングを首脳陣に申し出た。肩と肘回りの強化に努めたことで「それがいい時間としてきょう出た」。右肘の負担軽減を狙いにテークバックを以前より小さくした新フォームにも「比較的安定して投げられた。安打性の当たりを打たれなかったので、力強さも出てきた」と手応えを口にした。

 投球を見守ったジラルディ監督も「球の切れ、球速、制球のいずれも上がっていた」と評価。今後については「もう一度シミュレーションゲームか、フロリダの教育リーグで登板させる」とした。ブルペン投球を経て、14日か15日に再び打者相手の投球練習。そこで球数を60~70球程度に増やし、19~21日のブルージェイズ戦でのメジャー復帰が見込まれる。指揮官の青写真通りに運べば、田中は残りのレギュラーシーズン2試合に先発できることになる。

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