9年前にはVへ弾み…阪神 伝説の9・7に今季初同一カード3連敗

[ 2014年9月8日 05:30 ]

<中・神>6回、ゴメスの退場処分に抗議する和田監督

セ・リーグ 阪神0-2中日

(9月7日 ナゴヤD)
 阪神がいよいよ窮地に追い込まれた。ナゴヤドームで中日に今季124試合目にして、初の同一カード3連敗を喫した。今季11度目の零敗は、6回にはゴメスが審判への侮辱行為で来日初の退場処分を食らうなど、まさに弱り目にたたり目。9日から甲子園での巨人、広島との直接対決を前に勢いをつけるはずが、9年ぶりのV奪回は風前のともしびとなった。

 本塁が、1点が果てしなく遠い。前回7月15日の対戦では6回KOした雄太の前に、打線が黙りこくってしまった。ルーキー・岩貞の奮投にも、応えることができない。逆転Vへは一敗もできないはずが、どこか淡々と連ねたゼロ行進。試合後の和田監督も、完敗を認めざるを得なかった。

 「ゼロじゃ勝てない。3試合で2点か。動かしてくるピッチャーに苦しんで、とらえられなかった。打線が奮起せんと」

 1点を追う3回1死三塁で後続が倒れると、その後は好機すらつくれない。雄太の微妙に動くボールを打ちあぐね、降板した7回までにゴロアウトは17個を数えた。リリーフした祖父江、福谷もとらえられず、ゴロによるアウトは21を数えた。5日の初戦に次ぐ完封負け。9年前の05年にVへの序章となった同じ「9・7 ナゴヤドーム」で、今季初の同一カード3連敗を喫してしまった。

 「誰がいなくなっても痛いのは痛い」

 指揮官の歯切れが悪くなるのも無理はない。打てない打線に追い打ちをかけたのが、ゴメスの退場劇だった。6回2死二塁で見逃し三振。その際、原球審に侮辱行為を働き、即座に退場を宣告された。前日6日も唯一のマルチ安打を放つなど、低調な打線にあって存在感は計り知れない。リーグトップを誇る93打点の4番打者を欠いてしまっては、反攻を望むべくもなかった。

 「可能性がある限りは何が起こるか分からないという気持ちでね」

 チームのトップとして和田監督は懸命に前を向いたが、窮地に追い込まれたと言っていい。「勝負の月」だったはずが、9月はこれで2勝4敗となり昨年の大失速と様相を呈してきた。

 救いは、9日から甲子園で始まる首位・巨人、2位・広島との直接対決を前に、両チームがお付き合いする形で負けてくれたこと。

 「連敗を止めるのもそうだし、なんとか(巨人戦の)頭を取って波に乗るゲームにしたい」

 自らを奮い立たせるように会見を締めくくった指揮官。悲痛な叫びがナインに届くことを信じるしかない。

 ▽05年9月7日中日戦(ナゴヤドーム) 阪神は9回2死満塁から代打・関本が右前打。三走に続き、二走の中村豊が本塁へ突入し判定はアウト。その裏に久保田が無死二、三塁のピンチを背負い、谷繁の二ゴロを関本が本塁へ送球したが今度はセーフ。たび重なる不利な判定に激怒した岡田監督が猛抗議し、18分間の中断にまで発展した。再開後に同点とされ、なおも1死満塁のサヨナラ負けの危機で岡田監督は就任後初めてマウンドへ向かい久保田にゲキ。「打たれろ! むちゃくちゃ投げろ。責任はオレが取る」。このピンチを連続三振で切り抜けると、延長11回に中村豊の決勝ソロが飛び出し阪神が4―3で勝利した。

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2014年9月8日のニュース