バレ 恐るべし怪力!バット折れても4年連続30号

[ 2014年9月8日 05:30 ]

<ヤ・巨>初回1死一、二塁、バレンティンは4年連続30本塁打となる3ランを放つ

セ・リーグ ヤクルト10-3巨人

(9月7日 神宮)
 たまった力を一気に吐き出した。恐るべき集中力、そしてとんでもないパワー。バットが折れても関係ない。これが本当のヤクルト・バレンティンだ。

 「マグレネ」。日本語のジョークで振り返ったのは、初回1死一、二塁で迎えた打席。1ボールから巨人・久保の投じた内角高めの139キロのシュートだった。やや差し込まれて「最高の感触ではなかった」けど、お構いなく振り抜く。次の瞬間、打球は左翼席へと消えていった。まさに驚異の一発。バットはグリップから40センチほど縦に裂けていた。「バットが折れて、あれだからね」。小川監督もあきれるほどの先制3ランだった。

 「グラウンドに立ってチームの力になりたいと思ってたから。ちょっと新鮮で、すがすがしい気持ちでできた」。持病の左アキレス腱痛が悪化し、ここ7試合はスタメンを外れていた。やっと痛みが軽減した前日、先発出場を直訴。試合開始直前だったために小川監督に却下されると、ホワイトボードのオーダーの4番「畠山」を消して自ら名前を書き入れた。先発落ちの間は杉村打撃コーチと夏場から取り入れたティー打撃を継続。「ボールとの距離感をつかむのが目的」(杉村コーチ)という日本式で、歩きながら打つなど6種類のティー打撃で状態を維持し、8試合ぶりスタメンの第1打席で爆発させた。

 ただの先制アーチではない。これで来日から4年連続の30号。史上7人目の記録に「最高の気持ち。うれしいです」と笑みをこぼした。小川監督も「他のことは褒められないけど、日本の野球に順応しようという思いが表れてる」と称賛。本塁打王争いでも、トップの広島・エルドレッドに3本差としてバレンティンは言った。「キングを狙わない理由はない」。その目にはセ・リーグでは王貞治(62~74年)以来となる4年連続キングの座がはっきり映っていた。

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