山口 プロ9年目の初完投!高校時代に勝てなかった聖地で…

[ 2014年9月4日 05:30 ]

<神・D>4回裏2死満塁、大和(右)を空振り三振に仕留めてピンチを脱し、雄叫びを上げながらグラブを叩く山口

セ・リーグ DeNA3―1阪神

(9月3日 甲子園)
 特別な場所で初めて味わう歓喜。DeNAの山口は穏やかな笑みを浮かべ、マウンドの足場を優しくならした。今季6勝目はプロ9年目、22度目の先発で初の完投勝利。141球、1失点の力投に「直球が走っていたし思う通りの投球ができた。理想の投球かな」と胸を張った。

 4回2死満塁のピンチで大和を150キロの内角高めのボール球で空振り三振を奪った場面が象徴的だった。直球が手元で伸びるから高めのコースで空振りが奪える。5回以降は走者を1人も出さない完全投球。これまでは今年6月15日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)での8回1/3が最高だったが、自己最多の11奪三振で完投勝利に中畑監督も喜びは大きい。

 前夜は悪夢の逆転サヨナラ負けで、最後の本塁生還のクロスプレーの判定に猛抗議。試合後に退場を宣告されただけに「早く忘れたかった。(山口)俊に尽きる。あいつの姿に感動した」と絶賛した。

 柳ケ浦(大分)で2年秋の明治神宮大会で日本一に輝いたが、甲子園では一度も勝てなかった。最後の3年夏は右肘を痛めて大分大会の準決勝敗退と聖地の土も踏めなかった。「明治神宮大会で日本一になる方が難しいんですよ。甲子園で活躍した投手が目立つんですけどね」と苦笑いで振り返る時もあったが、試合後は「甲子園で完投できたのは良かった」と本音を吐露した。
 
 この日は母・啓子さんがスタンドで観戦。今季は4月に救援で打ち込まれて5月5日に2軍降格を味わった際、「俊は大丈夫?」と渡辺誉パーソナルトレーナーに電話をかけた。直接声は掛けられなくても、その思いは山口に十分伝わっていた。試合後には啓子さんを食事に誘って喜びを分かち合った。

 チームは借金を4に減らして3位・阪神と5・5差。4日にも「22」が点灯する巨人のマジック対象チームにもなっている。残り30試合。通算111セーブを挙げているかつての守護神は「これからの残り試合は一試合も落とせない気持ちでいる」と気を引き締めた。まだまだ、混セの灯は消せない。 

 ▽山口の柳ケ浦での甲子園 1年夏(03年)と3年春(05年)に出場。1年夏は常総学院との1回戦に0―2の6回から2番手で登板。2回を1安打無失点も1―2で敗れた。3年春は天理との1回戦に5番・投手で出場、完投するも0―4で敗戦。当時のセンバツ新記録となる最速151キロを計測し、スカウトの評価を高めた。

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