阪神“未完の大砲”大学生獲りへ 中日・落合GMもホレ込む逸材

[ 2014年9月2日 10:13 ]

阪神がドラフトで上位候補にリストアップする慶大・藤本

 「未完の大砲」に熱視線だ。阪神が今秋ドラフト上位指名候補として慶大・藤本知輝外野手(4年)をリストアップしていることが1日、分かった。1メートル83、85キロの恵まれた体格から生み出す力強いなスイングが持ち味のスラッガー。球界屈指の和製大砲に成長する可能性を秘める男を徹底マークしていく。

 まだまだ粗削りな部分は多い。裏を返せば、それだけ魅力的で伸びしろがあるプレーヤーだということ。プロの世界で綿密かつ熱い指導を受け、技術面に磨きをかければ、近い将来、虎を背負って立つだけのポテンシャルは大いに秘めている男だ。

 選手を見極める上で、確かな眼力を持つ中日・落合博満GMも惚れ込む逸材だとも伝わる。今春の東京六大学野球リーグ戦では主に5番打者として12試合に出場。47打数13安打、打率・277、3本塁打。たぐいまれな長打力で10打点を叩き出し、リーグ制覇に大きく貢献した。そのリーグ戦で藤本の本塁打を目の当たりにした落合GMは、周囲に「この打者を育ててみたい」と話したという。もちろん阪神も担当の平塚スカウトが慶大に足しげく通い、徹底マークを続けている。

 阪神では掛布DCが来季も若虎の指導にあたることが決定的。事実、入団から2年間くすぶっていた伊藤隼の打撃を覚せいさせ、1軍で通用するほどにまで育て上げた。ルーキーの横田にも英才教育を施し、8月31日のウエスタン・中日戦(姫路)では1試合3本塁打を記録するまでに成長させた。仮に藤本が掛布DCの手ほどきを受けることができれば、才能が一気に開花する可能性もある。

 甲子園を本拠地にする以上、ある程度の守備力が必要になるが、中堅を守るにあたっての不安はない。年々、希少性が増している右打ちの強打者。阪神スカウト陣は、9月13日に開幕する秋季リーグ戦も徹底マークし、その真価を見極めていく。

 ◆藤本 知輝(ふじもと・ともき) 1992年(平4)4月13日、和歌山県出身。紀ノ川中では「和歌山シニア」に所属し、世界ユース野球大会の日本代表に選出。慶応(神奈川)では1年秋からベンチ入りも、甲子園出場経験なし。慶大では1年秋からリーグ戦出場。リーグ通算55試合出場、打率.244、6本塁打、19打点。1メートル83、85キロ。右投げ右打ち。

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