広島 実質セ首位 交流戦除けば勝率トップ!2差2位浮上

[ 2014年8月31日 05:30 ]

<中・広>中日に連勝し、笑顔でタッチの広島ナイン

セ・リーグ 広島2-0中日

(8月30日 ナゴヤD)
 広島は30日、1メートル93の長身右腕、デュアンテ・ヒース投手(29)が中日戦に先発。7回途中まで散発3安打、無失点の快投で、来日2度目の登板で初勝利を挙げた。新助っ人の活躍で、チームは2位に浮上。首位巨人にも2ゲーム差と再接近し、23年ぶりのリーグ優勝を視界に捉える。残り29試合、ヒースが逆転Vの使者になる可能性は十分にある。

 23年ぶりのリーグ優勝を目指す広島に頼れる男が加わった。新外国人のヒースが2度目の登板で6回1/3を無失点で、来日初勝利を挙げた。

 「非常に気分がいい。初勝利を与えてくれたチームに感謝したい」

 1メートル93、109キロの大きな体から威力あるボールをテンポよく投げ込んだ。最速149キロを計測した直球を主体にスライダーやカーブなど変化球も織り交ぜ、中日打線を散発3安打に封じた。

 得点圏に走者を背負っても落ち着いていた。2回には安打と四球で1死一、二塁とされたが、低めに集め、荒木、武山を内野ゴロに。4回2死一、二塁のピンチでは外角速球で武山を空振り三振に仕留めた。

 初登板だった24日の阪神戦(マツダ)でも6回1失点。野村監督は「2回連続でいい投球をしてくれた」と降板時にはわざわざ自らマウンドに出向きねぎらった。

 家族の存在が異国での力の源だ。今月15日にメリッサ夫人と2人の子供が来日。それまで約3週間、一人暮らしを強いられていた助っ人の心のよりどころとなっている。名古屋遠征前の28日には家族で広島駅周辺を散策し、日本式の焼き肉を初体験。さらに妻子は今遠征にも同行し、この日は宿舎近辺のファストフード店でポテト、チキンナゲットなどのランチを取ってから出陣した。ウイニングボールは米ジョージア州アトランタに住む母・グレースさんにプレゼントするという。

 これでチームは5カード連続勝ち越しで、阪神を抜いて2位に浮上。首位巨人にも2ゲーム差と迫った。交流戦では9勝15敗と大きく負け越した広島だが、リーグ戦に限れば巨人、阪神を抑えて堂々の「首位」だ。そして、残り29試合、相手はすべて得意のセ・リーグ球団だ。

 三つ巴でし烈を極めるペナントレース終盤での切り札となる予感も漂わせる右腕。「厳しい戦いが続くが、熱くなりすぎず、普段通り自分の投球に集中する。そうすれば結果はついてくる」。メジャー219勝右腕のペドロ・マルティネスに風貌が似ていると評判のヒースは力強く言い切った。

 ◆デュアンテ・ヒース 1985年8月28日、米ジョージア州アトランタ生まれの29歳。テネシー州立大から06年ドラフト19巡目(全体580位)でブレーブス入り。10年にホワイトソックスへ移籍し、12年9月にメジャーデビュー。通算8試合で0勝0敗、防御率10.24。マイナー通算243試合(先発88試合)で36勝36敗、防御率3.77。持ち球は直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ。1メートル93、109キロ。右投げ右打ち。

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