沢村 剛腕復活!2安打10K完封 苦手阪神戦連敗6で止めた

[ 2014年8月29日 05:30 ]

<巨・神>9回2死、最後の打者・鳥谷を三振に打ち取ると沢村はガッツポーズで絶叫、天を指さす

セ・リーグ 巨人4-0阪神

(8月28日 東京D)
 巨人の沢村拓一投手(26)が28日、阪神戦で先発し、昨年6月以来の完封勝利を飾った。阪神戦は自身6連敗中だったが、2安打10奪三振の力投。打線も初回に先頭・橋本到外野手(24)の3号ソロで先制し、沢村自身も2回に左中間へ適時二塁打を放つなど阪神先発の藤浪晋太郎投手(20)を攻略した。阪神は自力での優勝が消滅した。

 沢村は後ろを振り返り、両腕を天に突き上げた。2安打完封勝利で今季2勝目。4万5176人の大観衆が、背番号15の剛速球に心を奪われた。

 「点数を取られる試合が続いていたので0点に抑えることができてよかった。(阪神とのゲーム差が)0・5か、2・5に広がるのかで大きく違うので」

 初回から直球で押しまくった。2回先頭のマートンに、この日の最速152キロを3度も計時。球威は衰えず、最後の打者・鳥谷は内角の151キロで見逃し三振に斬った。奪った三振は10。計114球中、直球は約65%に当たる74球だった。打っては1―0の2回2死一塁から「無我夢中で打って走った」と左中間へ適時二塁打。貴重な追加点を叩き出した。投打の活躍で昨年4月から続いていた自身の阪神戦の連敗を6で止め、約1年2カ月ぶりとなる完封を飾った。

 前回21日のヤクルト戦(神宮)は、4―1の6回にバレンティンに2ランを被弾するなど5回2/3を4失点。登板間は、要所でシュート回転していた直球の精度を高めた。川口投手総合コーチは「右肩が早く前に出てしまうと抜けやすくなる」と改善点を明かし、「軸をしっかり作って移動させながら最後は球を投げ切れていた」と称えた。

 ファームでの取り組みも生きた。右肩の不安から7月に復帰したものの、結果を残せず同30日に2軍落ち。尾花2軍投手総合コーチがブルペン投球を動画で撮影し、投球フォームを見つめ直した。「体が早く開かないようにするため(グラブをつけた)左手がめくれないように指摘した」と尾花コーチ。リリース前に伸ばす左腕を過度に外旋させずに体の開きを抑えることで、球の出どころが見えにくくなった。

 阪神との首位攻防戦3連戦に勝ち越し、2・5ゲーム差に突き放した。原監督は「きょうに関しては見事。本人がさらに飛躍する1勝になってくれるといい」と賛辞を贈った。お立ち台で背番号15はこう宣言した。「またできるように頑張ります」。一度も表情を崩さなかった右腕の目には、強い覚悟がにじんでいた。

 ≪阪神戦は2年ぶり白星≫沢村(巨)が2安打10奪三振で完封勝利。自身完封勝利は昨年6月13日オリックス戦以来。2桁三振を奪っての完封は12年4月13日DeNA戦(1安打10奪三振)に次いで2度目になる。通算完封勝利は入団1年目の11年から1度ずつの4度目。巨人の投手で新人から4年以上の連続完封は99~03年上原の5年連続以来11年ぶりだ。また阪神戦は12年7月6日以来2年ぶりの白星。昨年4月11日からの連敗を6で止めた。この日はゴメス、マートンを3打数無安打。6連敗中は勝敗のつかなかった3試合も含め投手を除く外国人打者に計31打数12安打(被打率・387)。苦手の外国人を封じ連敗を脱出した。

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