大阪桐蔭時代の到来!最近7年で夏3度V「一番駄目なチーム」の結束

[ 2014年8月26日 05:30 ]

<大阪桐蔭・三重>優勝を果たし歓喜の大阪桐蔭ナイン

第96回全国高校野球選手権決勝 大阪桐蔭4―3三重

(8月25日 甲子園)
 決勝が行われ、大阪桐蔭が三重に4―3で逆転勝ちし、春夏連覇を達成した2012年以来、2年ぶり4度目の優勝。歴代優勝回数で4位のPL学園(大阪)に並んだ。1点を追う7回に中村誠主将(3年)が中前に2点適時打。投げては前日の準決勝で160球を投げた福島孝輔投手(3年)が3失点で2日連続の完投勝利を挙げた。これで春夏合わせて5度進出した決勝は全勝。最近7年で3度の全国制覇を成し遂げ、高校球界は「大阪桐蔭時代」に入った。

 苦しんで耐えて手にした4度目の日本一。マウンドで幾重にも広がった歓喜の輪を、左翼から見て中村主将の涙腺がゆるんだ。

 「最高です。一番駄目なチームといわれた自分たちが、ここまでこられた。一度(大阪)桐蔭の名を汚したので、この夏に日本一になるためにずっとやってきた。目標を達成できて本当にうれしくて、涙が止まらない」

 地元であるはずの甲子園。しかし、判官びいきからか、初優勝に挑む三重への大応援は一塁側のアルプススタンドから内外野にまで広がり、西谷浩一監督が「完全アウェー」と表現したほどだった。観客を味方に付けた三重に序盤から終始、押されっ放しだった。

 その中、準決勝まで5試合で3度の逆転勝ちを演じてきた粘りは健在だった。1点を追う7回に地力を見せる。2死満塁で打席は準決勝まで2戦連続本塁打の中村。直前に三振に倒れた福島から「頼んだぞ」と言われて奮い立った。1ボールからの2球目、待っていた直球をこん身の力で振り抜いた。内角高めの厳しいコースで完全に詰まったが、ふわふわっと上がった打球は中堅手の追い付く一瞬前に落ち、逆転の決勝2点適時打に。殊勲者は「気持ちが伝わって落ちてくれた」と素直に喜んだ。

 どん底からはい上がった。昨秋の大阪大会4回戦で履正社に1―13のコールドゲーム負け。屈辱的敗戦で、センバツ出場の夢は絶たれた。「何と根性がないことか。どうチームに背骨を入れるか」――。西谷監督は思い悩み、中村主将のほかに、年明けから香月、峯本、正随、森の4人を副将に指名。指揮官と5人の間で交換日記が始まった。表紙には「日本一への準備」と記した。寮生活も見直し、上級生が率先して掃除を行った。まずは心から鍛錬を重ねた。野球ではスター選手のいない分、中村らナインは「足と声」を大事にした。投打に比べ、スランプのないものを標語にすることで結束を強め、力を伸ばした。

 東海大相模(神奈川)、九州国際大付(福岡)など優勝候補が次々と初戦で姿を消した波乱の今大会でも、大阪桐蔭はここ一番の勝負強さを発揮して、頂点に駆け上がった。そして最大の目標とする同じ大阪のPL学園に夏の優勝回数で並んだ。他校からは「横綱」「日本最高峰の野球部」とも称され、夏の甲子園では実にここ7年で3度の日本一。今や高校球界の盟主といえる。「生意気だが、どこの学校より練習してきたつもり。12年に優勝して、今年もう一度(優勝旗が)手元に来る。値打ちのある優勝。もう離したくない」と話す指揮官の顔に野心が満ちあふれた。

 ≪春夏通算では5度目 横浜と並び5位タイ≫大阪桐蔭が夏4度目の優勝。PL学園と並び歴代4位タイ。春夏通算では5度目の優勝で、横浜と並び5位タイ。春夏の決勝は91年夏の初登場から5連勝で、これは広島商と並ぶ最多タイ。春夏通算成績は41勝9敗で、勝率・820は10試合以上では清峰の・765(13勝4敗)を上回りトップ。

 ≪大阪勢躍進≫大阪桐蔭は今大会6勝。大阪勢は夏通算161勝(84敗)となり、東京勢と並んで1位タイ。夏通算勝率は・657となり、大会前まで1位だった愛媛勢の・646を抜きトップに立った。大阪勢の優勝は夏12度目、春夏21度目で、ともに全国最多。

 ≪甲子園春夏通算4度目V 西谷監督歴代3位タイ≫大阪桐蔭の西谷浩一監督は春夏通算4度目の優勝となり尾藤公監督(箕島)と並び歴代3位タイ。また同33勝目で深谷弘次監督(中京商・中京―三重)と並び10位タイに。

 ▽大阪桐蔭 大産大を経営母体とし、1983年(昭58)に大産大高大東校舎として設立。88年に独立し現校名に。建学の精神は「偉大なる平凡人たれ」。プロ野球には西岡(阪神)、中村(西武)、中田(日本ハム)ら多数人材を輩出。サッカー、ラグビー部も全国レベルの強豪。生徒数は2323人で女子は921人。現住所は大阪府大東市中垣内3の1の1。

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