オリ金子 投手3冠見えた 防御率&奪三振トップ、勝ち星1差

[ 2014年8月23日 05:30 ]

<オ・楽>7回2失点で11勝目を挙げた金子

パ・リーグ オリックス7-2楽天

(8月22日 京セラD)
 7回5安打2失点で、オリックス・金子はハーラートップの僚友・西に1差に迫る11勝目。敗れたソフトバンクにも2・5差に縮める白星を手にしたが、球界を代表するエースに笑顔はない。投球内容に満足感がないためだ。

 点の失い方が気にくわない。4回、先頭の松井稼を二塁打で出塁させ、1死三塁から味方野選で先制点を失った。そこから先が納得のいかないポイントだった。

 「枡田君とは相性がいいだけに抑えないと、と変に力んだ。気のゆるみはなかったけど、うまく抑えようとしすぎた」

 銀次の右前打で2死一、三塁とされ枡田にチェンジアップを中前打された。この2点目が自分自身では許せなかった。その裏に味方打線が同点に追い付くと「それまで以上に気持ちが入った」とペースアップ。以降はさすがの安定感で試合を作ったが、高いレベルを求めるがゆえに先に許した2点が腹立たしかった。

 球団史を塗り替える勢いだ。防御率1・78、171奪三振はともにパ・リーグトップ。同2位の勝ち星と合わせ、パでは06年の斉藤和巳(ソフトバンク)以来、球団としては阪急時代を含めても初となる投手3冠の可能性が見えてきた。タイトルについては、「そこを意識してやることはない」というスタンスだが、周囲の期待は高まる一方だ。

 森脇監督からの信頼も絶大だ。「先に点を与えたこと自体が許せないだろうけど、同点になってからはスキを与えなかったし、素晴らしい投球を見せてくれた」。パの投手タイトルをすべて奪おうかというエースが、チームも同時に18年ぶり頂点へ導いていく。

 ▼楽天・銀次 全ての球がいい。日本で一番のピッチャー。

 ▽投手3冠 打者3冠(首位打者、最多本塁打、最多打点)に対して、一般的に最多勝、防御率1位、最多奪三振を同一シーズンに受賞した投手を指す。これに勝率第1位と最多完封勝利を加えて投手5冠と表現することもある。

 ≪楽天戦20勝は歴代最多≫金子は今季楽天戦を4戦4勝。昨季から5連勝で、通算20勝3敗1セーブ。同カードの勝利数では武田勝(日)の19勝を抜いて歴代単独トップに立った。これで今季11勝目とし、西(オ)の12勝に次ぐリーグ単独2位。目下トップの防御率1・78と奪三振171はいずれも2位を大きくリードしており。順調にいけば10年前田健(広)以来19人目(20度目)、球団史上初の投手三冠の可能性も出てきた。

 ▼オリックス・糸井(7回に右中間14号ソロ。今季、本塁打を放った試合は13連勝)こういう日が1日でも続くように頑張りたい。

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2014年8月23日のニュース