土砂災害市民に元気を 広島、丸の満弾で4連勝!首位と2差

[ 2014年8月21日 05:30 ]

<D・広>4回1死満塁、右越え満塁弾を放った広島・丸(右)は石井コーチと敬礼

セ・リーグ 広島11―9DeNA

(8月20日 横浜)
 主砲エルドレッドが不振でいなくても、バリントンが3回7失点でKOされても、広島はDeNAとの乱打戦を制した。13安打11得点。72、04年にマークした8試合連続2桁安打の球団記録に並び、4連勝で首位・巨人に2ゲーム差に迫った。野村監督は広島市の土砂災害を念頭に置き、神妙な面持ちで話した。

 「チーム関係者に近い人で避難している人もいる。僕らは勝つという、いい仕事をしていくしかない。それで少しでも勇気づけられたら」

 殊勲は丸だった。5―7とひっくり返された直後の4回に逆転の満塁弾。小林太が外角高めに投じたツーシームを右翼席に運んだ。昨年5月12日中日戦(マツダ)以来2度目のグランドスラムに「嫌な流れだったので最高の打撃ができた。何とか1点でも、という思いがホームランになってくれた」と振り返った。19日深夜から20日未明に起きた豪雨による土砂災害。17本でシーズンの自己最多本塁打を更新している不動の3番打者は「ささいなことかもしれないけど、心身ともに疲れている人に元気を与えたい」と心の底から言った。

 広島の猛打の勢いは、プレーボール本塁打が象徴していた。8日の阪神戦(京セラドーム)以来の先発出場となった1番・天谷が初回、山口の初球の直球を右翼席に運んだ。今季の3本塁打は全て初回先頭打者。堂林に出場機会を譲っていた天谷は「きれいに振り抜けた」と自画自賛した。5回にも梵が左中間に6号ソロ。地元・広島出身の選手会長は「被害に遭われた方は試合を気にする余裕なんてないと思う。早く普段通りの生活が取り戻せれば」と祈った。

 計3発で攻撃の手を緩めず、リーグトップのチーム本塁打を125本まで伸ばした。21日の同戦で球団新記録の9試合連続2桁安打を狙う。「チームの状態が上がってきているので、何とか続けていきたい」と丸。もちろん5連勝し、巨人と阪神を追走する。逆転で91年以来23年ぶりの優勝を手にするために。

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