田村活躍が刺激に 光星4番・深江 一発指令に応えた同点弾

[ 2014年8月21日 05:30 ]

<星稜・八戸学院光星>8回2死、左越えに同点本塁打を放ち、雄叫びを上げる深江

第96回全国高校野球選手権3回戦 八戸学院光星5―1星稜

(8月20日 甲子園)
 スコアボードには0が並んでいた。1点を追う8回2死無走者。八戸学院光星(青森)の4番・深江は仲井宗基監督に呼び止められ、耳打ちされた。

 「ホームランしかないぞ」。初めての「本塁打指令」。心は熱くなったが、頭は冷静だった。星稜の岩下が多投するスライダーを狙い、打席の前方に立った。曲がりっぱなを叩くためだ。2ボール2ストライクからの5球目のスライダーが真ん中高めに来ると、強振した。高校通算26本塁打は左翼席中段まで届く同点ソロ。「打った瞬間入ると。4番としていいところで打てた」と胸を張り、仲井監督も「うちの4番。打ってくれると信じていた」と目を細めた。

 仲井監督が過去に本塁打指令を出したのは、2年前に甲子園春夏連続準優勝した時の主砲・田村(ロッテ)と、規定で今春までしか公式戦に出場できなかった元4番の台湾留学生・蔡鉦宇(サイセイウ)だけ。深江にとって2学年上の田村は前夜、オリックス戦でプロ初のサヨナラ打を放った。深江は宿舎のテレビでくぎ付けになった。「やっぱり、すげえ」。一昨年、田村と寮で向かい部屋になり、助言や励ましを受けた。さらにこの日朝、甲子園に移動中のバスで指揮官が漏らした声も耳に残っていた。「田村も打ったしなあ」。初戦で無安打に終わった4番は燃えていた。

 センバツの横浜との初戦に続く春夏連続アーチで延長戦に持ち込み、10回に4点を入れて試合を決めた。「逆転の星稜」に逆転勝ち。青森大会準決勝から終盤の逆転勝ちを続けている。11年夏から3季連続準優勝した時と比べて「スター」と呼べる選手はいないが、深江は言う。「光星の4番はどこから見ても凄い選手じゃないとダメ。自分が打って、勝利に導きたい」。4番の誇りを胸に、東北勢初の大旗に向かう。

 ◆深江 大晟(ふかえ・たいせい)1996年(平8)9月25日、大阪府生まれの17歳。小1から軟式野球を始める。守口一中では守口シニアに所属し、八戸学院光星では二塁手として1年秋からベンチ入り。好きな言葉は「人生は楽しむためにある」。右投げ右打ち。1メートル75、75キロ。

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