ゴメス バース超え1年目84打点、球団記録はブリーデン92打点

[ 2014年8月20日 08:17 ]

<神・中>2回2死一塁、ゴメスは左翼線適時二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神8-1中日

(8月19日 京セラD)
 バース超えを告げる阪神・ゴメスの一撃は、左翼線へ飛んだ。藤井がクッションボールの処理を誤ったのを見て、高代三塁ベースコーチはちゅうちょなく腕を回す。一塁から鳥谷が5点目の生還。この瞬間、今季にG砲が積み上げた打点数は「84」となった。阪神史上最強の助っ人と呼ばれて久しい男の1年目の数を見事クリア。それでも、本人には何の満足感もない。

 「数字のことは考えないよ。自分の仕事をするだけ。勝利に貢献することだけだからね」

 2回2死だ。鳥谷の遊撃内野安打をムダにはしない。初球、内角高めに浮いたシュートを迷わず振り抜いた。初回の4点だけでは終わらせない速攻劇。「打てる球を自分のスイングでとらえられた」と満足げだった。

 阪神の助っ人1年目の最多打点は、76年ブリーデンが叩き出した「92」。37試合を残してあと8点に迫ったが、まったく意に介していない。数を競っているのではなく、勝利が欲しいからだ。

 その思いは二塁打の前後の2つの四球に表れている。初回、1死一塁。初球カットボール、3球目フォークを空振りし、3球で追い込まれながらも、以降3球続けてシュートを見切った。4回無死二塁でも変化球攻めの中、ボール球には手を出さずに好機拡大。じりじり竜投を追い詰めた。

 「まだまだ(打点を)伸ばしていってほしいね」と和田監督も背中を押した。自分の数字に興味はない。逆転優勝を成し遂げてこそ、ゴメスは初めて心から喜べる。

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2014年8月20日のニュース