「機動破壊」健大高崎 走った!11盗塁 通算57発男は4盗塁

[ 2014年8月19日 05:30 ]

<高崎健康福祉大高崎・利府>8回2死一塁、高崎健康福祉大高崎・脇本はこの日4個目となる二盗を決める

第96回全国高校野球選手権2回戦 高崎健康福祉大高崎10―0利府

(8月18日 甲子園)
 走って打って大勝した。高崎健康福祉大高崎(群馬)は、利府(宮城)との2回戦で大会記録に2と迫る11盗塁を決め、10―0で快勝した。今秋ドラフト候補に挙がる3番・脇本直人外野手(3年)は3安打4盗塁をマークして3回戦進出に貢献。チームは2試合で計15盗塁を決め、21年に和歌山中がマークした29盗塁の大会記録更新も視野に入ってきた。

 「機動破壊」を掲げるチームの申し子は、塁上で飢えたオオカミのように全身を震わせていた。8回2死。投手のグラブをはじき返す強烈なライナー性の安打を中前へ放った脇本は、続く長島の2球目にすかさず二塁を目指した。楽々セーフ。すると4球目には三盗を仕掛けた。打者がヒッティング(左中間三塁打)したため幻となったが、チームは7人で大会記録にあと2つと迫る11盗塁をマーク。3安打4盗塁の韋駄天(いだてん)は「チームとしてやるべきことができている。全員死ぬ気で走ってるし、甲子園で勝ちに来た」と胸を張った。

 高校通算57本塁打を誇るプロ注目の強打者は足も一級品だ。初回だ。50メートル6秒1の俊足を飛ばして内野安打で出塁すると、難なく二塁、そして三塁を陥れた。相手バッテリーを揺さぶる走塁で3点の先制攻撃を導き、「相手はあまり警戒してこなかったので一発で決められて良かった」。6回にも四球を選ぶと、二盗を成功させた。

 入学時は走塁の技術が伴わず「全然ついていけなくて、いつも怒られてばかりだった」と振り返る。それでもバッテリー心理や配球を読むことを覚えるとスライディング練習にも時間を費やした。盗塁で失速しないためにベース直前からスライディング。「ズボンが破れて、春から5枚くらい替えた」と笑う。

 心強い援軍にも支えられている。同じ沼田市出身の幼なじみで、今夏群馬大会でも対戦した昨夏優勝投手の前橋育英・高橋光成(こうな)だ。13日の1回戦・岩国(山口)戦の翌日には「おめでとう」と祝福され、この日朝には「きょう応援行けないけど頑張ってね」とエールを送られた。残念ながらアルプスには高橋の姿はなかったが、旧友の激励を発奮材料にしている。

 チームは盗塁以外でもスタートの構えやランエンドヒットで、これでもかと揺さぶった。甲子園に新しい風を吹き込んでいる打線を、青柳博文監督は「走っても機動破壊、走らなくても機動破壊」と評す。群馬勢の2年連続制覇まで手綱は緩めない。

 ▽機動破壊 文字通り、積極的に足(機動力)でかく乱して、相手を打ち負かす(破壊)という意味。葛原毅コーチの父・美峰(よしたか)さんが愛知・杜若(とじゃく)の監督時代に目指したスタイル。それを同コーチが継承し、健大高崎で「攻撃スローガン」として実践している。

 ◆脇本 直人(わきもと・なおと)1996年(平8)5月13日、群馬県生まれの18歳。小3から野球を始める。沼田中では投手として県大会8強に進出。Kボール沼田市選抜では高橋光成(前橋育英)との2枚看板で関東大会を制覇した。高校では1年秋からベンチ入り。趣味は映画観賞。好きな言葉は「潜在能力は無限だ」。1メートル80、80キロ。右投げ左打ち。

 ≪大会記録は13≫高崎健康福祉大高崎が利府戦で11盗塁。チームの1試合11盗塁以上は85年PL学園が東海大山形戦で11盗塁して以来29年ぶり。1試合最多は53年、土佐が金沢泉丘戦で記録した13盗塁。

 ≪個人最多は5盗塁≫個人でも3番の脇本が4盗塁。個人の1試合最多盗塁は21年京都一商・原田と35年甲府中・五味の5盗塁。

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