日本文理 新潟代表で愛知勢に初めて勝った 09年夏決勝の“雪辱”

[ 2014年8月19日 05:30 ]

<東邦・日本文理>6回1死満塁、日本文理・池田は左前に2点適時打を放ち雄叫びを上げる

第96回全国高校野球選手権2回戦 日本文理3―2東邦

(8月18日 甲子園)
 狙った球を一発で仕留めた。1―2の6回1死満塁。日本文理の4番・池田が初球の内角直球を振り抜くと。打球は三遊間を破る逆転の2点打となった。

 「内角の真っすぐに絞っていた。キャプテンである自分が何とかしようと思っていた」

 前夜のミーティング。東邦の1年生投手・藤嶋のDVDを見ながら言った。「1年生に負けてられるか!」。ナインの士気は高まった。迎えたこの日。2打席連続で見逃し三振に倒れた。2回は外角、4回は内角直球に手が出なかった。それでも、主将として下は向かない。ベンチでは「俺みたいなことはするな」と、笑いを取った。

 昨秋の明治神宮大会決勝では8―0と大量リードしながら沖縄尚学に逆転負け。新潟に戻り、神宮のスコアボードの写真を寮の部屋に貼った。最後まで粘り強く戦うことはチームのテーマになった。だから、先制されても焦らず「うちは後半勝負のチームなので」と言えた。

 09年夏。チームは決勝で中京大中京(愛知)に敗れ準優勝に終わった。9回2死走者なしから5点を奪う粘りをテレビで観戦し、入学を決意した。今春センバツ1回戦では豊川(愛知)に9、10回に2度追い付かれて13回にサヨナラ負け。「打倒・愛知というのはあった」。新潟県勢は5度目の対戦で愛知県勢に初勝利を挙げ、先輩の分まで雪辱した。

 3回戦では快進撃を続ける北信越勢の富山商との対戦が決定。今春の北信越大会決勝で破っている相手だけに、大井道夫監督は「うちが(快進撃に)乗り遅れるわけにはいかない」と言葉に力を込めた。

 池田は熱い気持ちを口にする。「3年生と一日も長い夏にしたい」。ベンチから外れた選手も含め、最後の夏に懸ける45人の3年生の思いは、1年生投手の上を行った。

 ≪愛知県勢から初勝利≫日本文理(新潟)が東邦(愛知)に勝利。新潟県勢は愛知県勢と春夏通じて5度目の対戦で初勝利を挙げた。

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