広島・堂林 5連打返し!締めた 野村監督に300勝プレゼント

[ 2014年8月18日 05:30 ]

<広・巨>クリームだらけの顔で苦笑いの堂林

セ・リーグ 広島5-4巨人

(8月17日 マツダ)
 「広島のプリンス」が23歳の誕生日を自らのバットで祝った。試合後のお立ち台。インタビュアーの掛け声に続き、「おめでとう~」と一斉に黄色い声援が注がれた。しかし、その後に堂林を待っていたのは、甘いケーキ…ではなく、シェービングクリーム。さらに頭からスポーツドリンクをかけられた。菊池ら仲間の手荒い祝福に端正なマスクがゆがんだ。

 鮮やかな逆転劇は2点を追う8回2死無走者から始まった。巨人のリリーフエース・山口を畳み掛ける。安打と死球で一、二塁とし、会沢、代打・小窪の連続適時打で同点。なおも一、三塁で打席に入ったのが、ここまで無安打の堂林だった。

 初球の直球はタイミングの合わない空振り。2球目はファウルで簡単に追い込まれる。ここで「力を抜け、力を抜け」と言い聞かせた。2球ボールの後、3球ファウル。「(ファウルで)いけそうだと安心した。どんな当たりでも食らい付いていこうと思った」。8球目。低めのボール気味の直球を捉え、きれいに中前へ決勝打を放った。

 2回に福井が5連打を浴びて3点を先行されたが、この回は5番・キラから死球を挟んでの「5連打返し」で逆転した。「先輩方がつないでくれたので、ここで打つしかないと打席に入った。めっちゃくちゃ、うれしいです!」と興奮気味に振り返った23歳に、球団史上5人目の監督通算300勝を挙げた野村監督も「見たことない上手な打撃をした」と絶賛した。

 スタンドには地元・愛知からお盆休みを利用して駆けつけた父・幸夫さん、母・弘美さんの姿があった。ファンを前に堂林は言った。「ここまで大きくしてもらい感謝しかない。この場を借りて“ありがとう”と言いたいです」。誕生日にはこれまで「あまりいい思い出がない」と言うが、最高の親孝行となった。

 チームは7年ぶりとなる6試合連続2桁安打で久々の連勝。6カードぶりに勝ち越し、首位・巨人に3ゲーム差に迫った。歓声が降り注ぐ中、堂林は「頂点しか目指していません」と力強く言い切った。

 ▼広島・小窪(8回2死一、三塁で右前に同点打)山口さんの投げるボールにしっかり合わせて打席に入れた。

 ▼広島・ロサリオ(5回に左中間2階席前の広告看板を直撃する8号ソロ)打ったのはスライダー。甘いボールをしっかり捉えられた。

 ≪6試合連続2桁安打≫広島が11安打を放ち、10日阪神戦から6試合連続2桁安打。広島では07年8月19日阪神戦から25日巨人戦までの6試合連続以来7年ぶりとなった。また、菊池は7月26日阪神戦から19試合連続安打。菊池は今季5~7月にも21試合連続安打をマーク。同一シーズンに20試合以上の連続安打を2度記録すれば50年平井(西日本)、94年イチロー(オ)に次ぎ2リーグ制後3人目となるがどうか。

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