マー君 投げた25球!週明け待たずに前倒しブルペン

[ 2014年8月17日 05:30 ]

故障後初めてとなるブルペンでの投球練習を行う田中

 右肘じん帯の部分断裂のため故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(25)が16日(日本時間17日未明)、故障後初めてブルペン投球を行った。直球のみで、力強く25球を投げ込んだ。当初は19日(同20日)以降に本拠地のニューヨークで行う予定だったが、順調な回復を受けて前倒しした。逆転でのプレーオフ進出を目指すチームの救世主となるべく、9月初旬のメジャー復帰を視野に入れた。

 田中は真剣な表情で、乾いたミット音をレイズの本拠地トロピカーナ・フィールドに響かせた。右肘じん帯を部分断裂した7月8日以来、39日ぶりの本格的な投球。25球の試運転を終え、汗を拭った。

 4日にキャッチボールを再開させたが、患部の状態を考慮し、投げる距離も強度も制限してきた。13日に平地で投本間ほどの距離から、初めて相手が座った状態で10球を投げたばかり。今季中の復帰という最大の目標に向け、田中自身も前日に米メディアの取材に「今後に向けて、あすのブルペンは間違いなく重要になる」と話していた。晴れやかな表情が、つかんだ手応えを物語った。

 ジョー・ジラルディ監督は前日、「ここまでのステップは順調に踏んでいる」と評価し、「あす投げてみて問題がないことを願う」と自らに言い聞かせるように話した。前半戦で12勝を挙げた右腕が、プレーオフ進出へのキーマンだからだ。

 地区首位のオリオールズとは8ゲーム差。ワイルドカード争いでも圏内から4・5ゲーム差という苦況だが、指揮官は「我々が目指すものはあくまでも地区制覇。まだ何が起こるか分からない」と当初の目標は崩さない。そのために不可欠なのは田中の存在。ブルペン投球を前倒しした先には、今月下旬のマイナー戦で実戦復帰→9月初旬の復帰という構想が透けて見える。2日(日本時間3日)から本拠地ヤンキースタジアムで行われるレッドソックス、ロイヤルズとの6連戦である。

 15日に田中は故障後初めてマウンドに立ち、一塁へのけん制球を練習した。守備練習でも一塁ベースカバーなどをこなした。実戦メニューは着実に増えてきており、今季のヤ軍の命運を握るブルペンセッションも無事通過。今後は翌日の肘の状態を見てプランを具体化させていくが、また一歩メジャーのマウンドへと前進したのは確かだ。

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