山形中央、9回大逆転で初勝利!県勢公立校37年ぶり夏1勝

[ 2014年8月15日 05:30 ]

<小松・山形中央>2回1死一、三塁、山形中央・高橋和(右)は本盗に成功

第96回全国高校野球選手権1回戦 山形中央9―8小松

(8月14日 甲子園)
 心の中で叫んだ。「落ちろ!」と。崖っ縁で3点差を追いついた9回2死三塁。山形中央の6番・中村は、こん身の一打が中前に弾んだのを見てクールに喜んだ。

 「負ける覚悟はできてた。やるべきことをやれば結果はついてくる。詰まったけど、気持ちで持っていった」。ガッツポーズも笑みもない。それが山形中央流。でも、この打席までに、できる準備はやり尽くした。狙い球を絞り、コースを意識し、頭を整理。だから差し込まれてファウルになった直球を、最後に仕留めることができた。

 先制され、逆転してもひっくり返された。それを再逆転。心の強さがそこにある。練習には一切手を抜かず、試合は常に全力疾走。その積み重ねで「ここまでやってきたんだ」と誰もが覚悟できた。覚悟を決めた人間は強い。9回無死から3連打、2死後に高橋和が同点三塁打。そして中村が勝ち越し打。山形大会の酒田南との決勝で9回に2点差を逆転した再現を甲子園で見せ、庄司秀幸監督は「我慢強く戦ってくれた」と目を細めた。

 山形県の公立校が夏に勝つのは77年酒田工以来37年ぶりだ。ミラクル逆転劇は「覚悟」が生んだ最高の結果だった。

 ▼山形中央・鈴木一朗(1年生で2番・二塁でスタメン出場、2犠打を決め)最初は不安でしたが、つなげることを意識しました。(イチローと同じ名前は)初めて会った人にも覚えられます。

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