西武・森 逆方向へプロ1号 田辺代行「小さい門田さんみたい」

[ 2014年8月15日 05:30 ]

<西・オ>8回1死、左越え本塁打を放ち、笑顔でダイヤモンドを回る森

パ・リーグ 西武4-9オリックス

(8月14日 西武D)
 逆方向への強烈な一撃だった。打球はグングン伸びて、左翼席に吸い込まれた。6点を追う8回。代打出場した西武の新人捕手・森に待望のプロ初アーチが飛び出した。

 「うれしい。球場が一気に沸いて、入ったなと思った。ちょっと早すぎますね」

 イースタン・リーグで打率・341をマークし、打撃を買われて7月27日に初の1軍昇格。プロ初打席から2打席連続安打したものの、5日のソフトバンクとの本拠地デビュー戦では7回から出場して2三振を喫した。2盗塁を許して捕逸も記録。2軍降格の危機感を持ちながら「1打席しかないので集中した」と8打席目で結果を出した。

 両足のスタンスを大きく取り、腰を落としてどっしりと構える。捕手として鍛え上げてきた下半身の粘りに加え、スイングスピードの速さを兼ね備えている。だから、左翼にも強い打球が飛ぶ。指揮官は「反対方向に打てるのは力を持っている証拠。小さい門田(博光)さんみたいだ」と、通算567本塁打を放った元南海の強打者になぞらえた。代打では通算4打数3安打となり、オール長打(二塁打2、本塁打1)。15日の日本ハム戦(西武ドーム)で「DH」で先発出場する可能性も急浮上した。

 15日は甲子園で母校・大阪桐蔭が登場する。昨夏、森は日本文理(新潟)との1回戦で2打席連続本塁打。その1本は外角直球をこすり、左翼ポール際に運んだ。浜風に乗った本塁打に西谷浩一監督に「あれは本塁打やないやろう」と冷やかされたが、この日は正真正銘の逆方向への一発。「成長しましたかね」とはにかんだ。チームは大敗を喫したが、今月8日に19歳になったばかりのルーキーは着実に成長している。

 ≪高卒では森が第1号≫高卒新人の森(西)が代打で初アーチ。今季新人の本塁打は、田中(広)の7本を筆頭に両リーグ7人目だが、高卒では森が第1号だ。また、高卒新人の本塁打は昨年大谷(日=3本)以来で、チームでは06年炭谷(3本)以来8年ぶり9人目となった。なお、高卒新人が代打でプロ1号は、90年6月29日のダイエー戦で林博康(ロ)がマークして以来24年ぶり。西武では前身球団を通じ森が初めて。

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