健大高崎 4盗塁スタート 光成も揺さぶった走力で逆転勝ち

[ 2014年8月14日 05:30 ]

<岩国・高崎健康福祉大高崎>3回、打者・星野の時、一塁走者・平山が二盗成功

第96回全国高校野球選手権1回戦 高崎健康福祉大高崎5―3岩国

(8月13日 甲子園)
 「機動破壊」――。高崎健康福祉大高崎が掲げる看板に偽りはなかった。0―3の3回。先頭・平山が死球で出塁すると、3度けん制されながらも二盗を決める。続く星野が左前打で一、三塁。その星野も2度のけん制をかいくぐって二塁を陥れた。そこから犠飛と内野ゴロで1点差。逆転への流れをつくったのは、得意の足だった。

 「3度けん制もらって、もう(けん制は)ないと確信して思い切ってスタートした。チームを勢いに乗せられた」と平山は胸を張った。同点の5回も脇本と長島が二盗を決め、2本の適時打で2点を勝ち越した。

 群馬大会では6試合で35盗塁を記録。3回戦で昨夏甲子園優勝校の前橋育英を倒した時も好投手の高橋光を4盗塁で揺さぶった。選手は入学後、「勇気と決断力」を持って次の塁を狙う意識を、まず最初に教え込まれる。「そこで走塁の6割をつくる」と指導する葛原毅コーチ(31)。走らなければ容赦なく怒られる。だから、なりふり構わず次の塁へ走る。

 ただ、足が速いだけではない。観察力も磨いてきた。岩国の先発・柳川が投球時に下を向くクセを見抜いた。「首が動けばホームに投げる。100%自信を持って走った」と星野。さらにベンチで計測した相手捕手・水野の二塁送球は2秒前後。1秒8台までなら成功する自信があった。4盗塁すべてを得点につなげたのも当然だった。

 高校通算57発を誇るプロ注目の脇本は、足でも魅せた。初回の右前に落ちる当たりで「芝が湿っているのは分かっていた」と打球が弾まないと判断し、50メートル6秒1の俊足を飛ばして二塁へ達した。機動力野球で初戦を制した青柳博文監督は「数よりも勝利に貢献する盗塁をしようと。しぶとくやってくれた」と称えた。2年連続の群馬勢全国制覇へ。文字通りのスタートダッシュを決めた。

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