トップ井納に並んだ!久保10勝 DeNA7年ぶり2桁勝利投手2人

[ 2014年8月13日 05:30 ]

<中・D>落ちる球を巧みにあやつり好投する久保

セ・リーグ DeNA6-4中日

(8月12日 岐阜)
 勝てる投手はピンチを背負っても崩れない。DeNAの久保が10安打を浴びながら7回を2失点にまとめ、同僚の井納に続いてリーグトップタイとなる10勝目を挙げた。

 「ヒットを打たれすぎたけど何とか抑えることができた。(10勝は)通過点でなければいけない」。チームで2人目の2桁勝利投手は07年以来、実に7年ぶりとなった。

 プロ10年目で長良川球場のマウンドは初めてだった。ブルペンよりマウンドが思った以上に高かったが動じない。中日との対戦は試合前まで1勝3敗、防御率6・08。特に荒木には打率・545と打ち込まれていたが、いずれも走者を背負った場面で4打数無安打に抑え込んだ。1秒を切る超速クイックモーションでも抜群の制球力は変わらず、3回無死一塁では外角低めのスライダーで遊ゴロ併殺に仕留めた。

 ロッテ、阪神、DeNAと3球団で2桁勝利を達成。「考えて投げないと打たれる」と勝つための技術磨きにこだわった。ロッテで新人だった05年に10勝を挙げたが、2年目は7勝13敗と負け越し。「プロは何度も対戦する。結局は技術になる」。同じ球種で10キロの緩急をつける投球や超速クイックを身につけた。

 理想を追求するストイックな姿勢が「あいつは自分のことしか考えていない」と周囲との軋轢(あつれき)を生むこともあった。過去に在籍した球団で一部の投手陣が久保の登板試合で救援を拒否した事件が起きた。それでも「投げなくて結構。他に投げたい投手はいますから」と一歩も引かなかった。精神的な強さはどんな環境でも適応できるたくましさがある。

 チームも3連勝で最大借金13から4まで減らし、3位・広島に3ゲーム差。中畑監督は「そんなのまだまだ。ウチのやることは変わらない」とキッパリ。逆転のCS進出を狙って勝ち続ける。

 ≪3球団以上での2桁勝利は史上14人目≫久保(D)が同僚の井納に並ぶセ最多タイの10勝目。2桁勝利はロッテ時代の05年(10勝)、阪神時代の10年(14勝)に次ぎ3度目。3球団以上で2桁勝利はグライシンガー(ヤ、巨、ロ)以来史上14人目となった。また、国内へのFA移籍初年度に10勝は、95、00年工藤(ダ、巨)、08年石井(西)、12年杉内(巨)に次ぎ4人目で、右投手は久保が初めてだ。なお、チームで2桁勝利が2人以上は、横浜時代の07年に寺原が12勝、三浦が11勝して以来7年ぶり。

続きを表示

この記事のフォト

2014年8月13日のニュース