8点差逆転の経験が「財産に」星稜“必笑”で劣勢はね返す

[ 2014年8月12日 13:32 ]

<星稜・静岡>8回、岩下は勝ち越しとなる適時二塁打を放ち、渾身のガッツポーズ

第96回全国高校野球選手権大会1回戦 星稜5―4静岡

(8月12日 甲子園)
 やはり何かを“持っている”チームだ。終始、静岡に先手を許しながら終盤に逆転して16年ぶりの夏1勝。星稜・林監督は「生徒たちが粘り強く戦ってくれた。終盤ビハインドでも自分たちのスタイルを貫いてくれた。(石川大会の決勝の経験が)財産になっている」と振り返った。

 石川大会決勝の9回に8点差をひっくり返してサヨナラ勝ちした“ミラクル”がナインを大きく成長させた。初回、いきなりワイルドピッチで先制点を献上しながら、自らのバットで決勝点を叩き出し、最後は3者連続三振に締めたエース岩下が言う。

 「後半はベンチのみんながずっと笑っていて、それがいい結果につながった。リードされている状況でも“まだ逆転できる”“まだ自分たちのイニングが残っている”って声が出ていましたから」

 2―3で迎えた7回に致命的とも言える1点を失ったが、「必笑」をモットーとするチームから笑顔が消えることはなかった。その裏、敵失絡みで同点に追いつくと8回に1死二塁から岩下が勝ち越し打。ヒーローは「自分にチャンスが回ってきたら絶対に打とうと思っていた」と笑みをこぼした。

 石川大会では5回が最長だった岩下が7安打4失点ながら完投と、復調したことも大きい。指揮官は「全国で勝つ難しさを痛感したが、この1勝を機にもう1つ2つ勝ちたい」と次の戦いに目を向けた。

続きを表示

この記事のフォト

2014年8月12日のニュース