藤浪 巨人戦今季初先発へ 昨季から8月負けなし“夏男”第3戦任せた

[ 2014年8月12日 05:30 ]

軽快にジャンピングスローを見せる藤浪

 奪首の時が来た! 阪神は、12日から首位・巨人が待つ東京ドームに乗り込む。その差は1・5ゲームで、今カード終了時に首位に立つには3連勝もしくは2勝1分けが条件。一つも敗戦が許されない3連戦にランディ・メッセンジャー投手(32)、岩田稔投手(30)の左右両輪とともに、今季巨人戦初登板の藤浪晋太郎投手(20)を投入。今、最も信頼できる3本柱で直接対決3連勝や!

 満を持して、若きエースがメッセンジャー、岩田とともにG倒に向かう。勝負どころの8月に巡ってきた、永遠のライバルとの今季初対戦。14日の第3戦先発が有力視される藤浪は、静かに闘志を燃やした。

 「いつも通りですね。自分のベストの投球をするだけです」

 相手が巨人だからと言って、必要以上に身構えることはない。あくまでも自然体。普段通りの投球さえできれば、勝てる―。淡々としたコメントは、その自信の裏返しとも取れる。

 「まあ(相手は)首位のチームなんですが…。調子が上がっているからこそ、どのチームが相手であっても、いい投球ができるようにしたい」

 「夏男」の異名通り、7月以降、調子は右肩上がりだ。8勝目を挙げた前回登板の8日・広島戦(京セラドーム)まで6試合に登板し、4勝負け無し。登板試合はチームも全勝で、7月15日の中日戦(ナゴヤドーム)ではプロ初完投も飾っている。さらに8月に至っては、昨季から不敗の5連勝中。まさに藤浪にとって最高のタイミングで、最大の難敵と対峙(たいじ)することになる。だからといって、慢心はない。好調だからこそ、気持ちを一層、引き締めて敵地へと乗り込んだ。

 「(巨人戦は)そんなに投げていないので、イメージも何もない。(本塁打が出やすい東京ドームなので)ソロは仕方ない、くらいの気持ちで投げていきたい」

 データ上は好イメージだ。昨季、巨人戦は3試合登板、1勝1敗、防御率2・50。そして今回の戦場となる東京ドームでは1試合登板、1勝0敗、防御率0・00。昨年8月4日の対戦で6回6安打無失点と好投し、勝利をつかみ取った。実は、ドーム球場でも通算12試合登板、5勝2敗、防御率2・40と好成績を残している。かつて一巨人ファンとして声援を送った東京ドームに首位に立った猛虎の凱歌を響かせてみせる。

 ≪昨年1勝1敗≫昨年の藤浪は巨人戦3試合に登板し1勝1敗、防御率2.50。初登板の8月4日は、敗れれば巨人に優勝へのマジックが点灯する大一番。菅野とのドラフト1位同士による投げ合いとなり、藤浪が6回無失点で勝利投手となった。ドラフト制後、巨人戦初登板で勝利を挙げた高卒新人は10人目で、阪神では67年の江夏以来46年ぶり。先発勝利は藤浪が初めてだった。9月7日はプロ入り後初の1試合2本塁打を浴びるなど、7回4失点で敗戦投手。大阪桐蔭高時代から継続していた甲子園球場での不敗記録は登板16試合、連勝は14でストップした。桧山の引退試合となった10月5日は、5回3失点で勝敗はつかなかった。

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