智弁学園・岡本 明徳の好投手・岸を「打ち崩す」

[ 2014年8月7日 05:30 ]

互いに健闘を誓い合う智弁学園・岡本(右)と盛岡大付・松本

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 敵が大きいほど血が騒ぐ性分だ。学校創立50周年。「智弁学園の歴史を塗り替える」と公言する岡本に最高の舞台が用意された。初戦の相手は、最速146キロ右腕・岸を擁する明徳義塾。今春センバツでは智弁和歌山が延長15回の末に2―3で敗れている。

 「強いところとやれるので楽しみ。(岸は)いい投手なので、チーム全員で打ち崩す。姉妹校のリベンジをしたい。奈良の智弁学園を全国の方に知ってもらえれば」

 顔色ひとつ変えずに、そう言い切った岡本。史上3人目の快挙も懸かる。岡本はセンバツ1回戦の三重戦で1試合2本塁打の衝撃デビューを飾った。同一年の春夏甲子園で1試合2本塁打の離れ業を成し遂げたのは、84年の清原和博と89年の元木大介の2人だけ。25年ぶりの偉業はファンも待ち望むところだ。

 「(本塁打を)期待してもらえるのはありがたいことですが、9人のうちの1人であり、ワンマンプレーはしたくない」

 最後の夏を迎えても、怪物が冷静なのは、センバツの敗戦を糧にしているからだ。2回戦では佐野日大(栃木)の左腕田嶋大樹のスライダーと内角直球に苦しみ、不完全燃焼のまま聖地を去った。「(最低)3つ勝とうと言っていたが、1つしか勝てなかった。やるべき課題が結構出て、勉強になった」と策を練った。苦手の内角球を克服しようと、腰を水平に回し、肩が下がらないよう注意しながら、力ではなく体の切れで打つイメージをつくり上げた。

 6月に腰を痛め、別メニューでの調整が続いたが、奈良大会では初戦の満塁弾に始まり、計3本塁打14打点、打率・556。「負けたら終わり。いつも以上に強い気持ちで大会に挑む」と決意を口にした。

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2014年8月7日のニュース