新星・桑原決めた!キヨシDeNA「感動」延長12回サヨナラ

[ 2014年8月6日 05:30 ]

<D・巨>サヨナラ打を放った桑原(左)に笑顔のDeNA・中畑監督

セ・リーグ DeNA7―6巨人

(8月5日 新潟)
 中畑劇場だ。DeNAは5日、巨人との4時間52分の激闘をサヨナラ勝ちで制した。6―6の延長12回1死一、二塁から今季11試合目のスタメンに抜てきされた桑原将志外野手(21)が右前打。桑原は6打数5安打2打点の大活躍だった。2点リードの9回は2死を取りながら、そこから同点とされるまさかの展開。それでも5―6とリードを奪われた延長11回に同点に追い付く意地を見せ、チームは今季90試合目で40勝に到達した。
【試合結果】

 苦しんで苦しんで、ようやく白星を手にした。5点リードを追い付かれ、一度は勝ち越されてからのサヨナラ勝利に、中畑監督は喜びを爆発させた。

 「本当に野球は怖い。でも最後の場面、凄い感動をもらった。今年最高の野球。野球の怖さ、面白さ、感動を全て味わった。バンザイ!」

 4時間52分の激闘に終止符を打ったのは、プロ3年目の桑原だった。6―6の延長12回1死一、二塁。巨人・西村の142キロのシュートを詰まりながらも右前にしぶとく落とした。この日、5本目の安打が自身初のサヨナラ打となり、「凄い、興奮しています。自分で決めるのではなく、つなぐという気持ちでいきました。とにかく必死。あまり覚えてない」。1点を追う11回も先頭で左翼線二塁打して同点劇を演出するなど、2番打者として大活躍だった。

 2度の大きな挫折が野球人生の礎だ。高校時代は福知山成美(京都)で1年春から正三塁手となったが、部員の暴力事件など不祥事が続き1年夏、2年の春夏とも大会出場ができなかった。「当時は正直悔しかったし、何でだよって思いました。でも、腐ったら夢だったプロ野球に行けないと思って練習だけは続けていた。甲子園には行けなかったけど、あの経験があったから今があると思える。多少つらいことがあっても乗り越えられる」。悲しい過去を糧に培った常に明るいキャラクターは他球団でも大ウケだ。先日の阪神戦の練習中に元同僚だった阪神・鶴岡に持ちネタをやるように振られ「食い込み!」とコマネチのパフォーマンスを連発。面識がなかったゴメスを大爆笑させるなど、中畑監督も明るさを買っている。

 1軍出場はまだ25試合目で昨年までの安打は1本。中畑監督は「体をスエーさせるな。前に突っ込むな」と繰り返し助言。この日の5安打に、指揮官は「積極性と一球に対する集中があった。何年もやっている選手みたい。外せない選手になってきた」と大絶賛だ。

 2試合連続で延長サヨナラ負けを喫していただけに、この日も負ければ大きなダメージが残る試合で、ニューヒーローが止めた。「苦しい試合にしたのは俺の責任かもしれないけど、選手がカバーしてくれた」と中畑監督。巨人戦は就任1年目が4勝17敗3分け、昨季が5勝18敗1分け。今季はここまでで5勝6敗。古巣と互角に渡り合っている。 

 ◆桑原 将志(くわはら・まさゆき)1993年(平5)7月21日、大阪府生まれの21歳。福知山成美では主将を務めた3年夏は府大会準決勝で敗退し、甲子園経験はなし。11年ドラフト4位で入団。1年目の12年10月1日の中日戦でプロ初安打。昨年4月24日の巨人戦でプロ初スタメンも4打数無安打。今季から、内野手から外野手へ登録変更。1メートル74、74キロ。右投げ右打ち。今季年俸610万円。

 ▼DeNA・久保(8回途中3失点ながら10勝目はお預け)また次回登板に向けて頑張ります。

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