大分の152キロ腕 155キロ宣言 聖地で自己ベスト狙う!

[ 2014年8月5日 05:30 ]

打撃投手をする大分・佐野

 第96回全国高校野球選手権大会(9日から15日間)の出場校による甲子園練習が4日、行われ、15校が参加した。大雨の影響によるグラウンドコンディション不良のため2日連続で室内調整となったが、大分の152キロ右腕・佐野皓大投手(3年)が自己ベストを更新する155キロを出すことを宣言。8年連続出場の聖光学院(福島)、初出場の利府(宮城)なども調整した。5日は東海大相模(神奈川)など17校が登場する。

 憧れのマウンドを遠くに見つめながら、佐野は壮大な決意を口にした。「疲れは向こう(大分)で取れたので大丈夫。甲子園最速を出してみたい。155キロを目指したい」。「4番・投手」で出場した大分大会では5試合全てに登板し3試合で完投。準決勝で右手親指の付け根を痛めながらも、決勝でも10回を投げ抜いた右腕は安楽(愛媛・済美)、佐藤(由規、現ヤクルト)と並ぶ頂点を視野に入れた。

 この日もグラウンドコンディション不良のため、練習は室内に変更。マウンドには立てなかったが、打撃投手を務めて50球を投げ込んだ。1メートル82、70キロと細身な体ながら、しなやかな腕の振りが特長。高校入学時ですでに138キロを投じていた。しかし2年夏は最速139キロと伸び悩み、「このままではやばい」と危機感を募らせた。プロ野球や高校野球の映像を目にしながら「一流の選手になりたい」と自らを変える決意をした。

 当時は「骨しかないような細さだった」と振り返るように体重61キロ。常に食べ物を口に入れるように心掛け、9キロ増の70キロとなって下半身が安定した。フォームの変更も奏功。ワインドアップからクイック気味の投法に変えたことで力みがなくなり、持ち前のしなやかさを発揮できるようになった。3年春には球場のスピードガンで150キロを計測。プロのスカウトによる計測では152キロをマークした。さらに今大会はスローカーブ解禁も示唆。「緩急をつけていきたいので球速差を生かしたい」と意気込んだ。

 県勢は2年連続で初戦敗退中だが、「早くあのマウンドで投げたい。低めに丁寧に突く投球で攻撃のリズムを持ってきたい」ときっぱり。初出場の勢いを球に乗せ、旋風を巻き起こす。

 ◆佐野 皓大(さの・こうだい)1996年(平8)9月2日、大分県生まれの17歳。小4から渡町台(とまちだい)リトルヤンキースで野球を始める。鶴谷中では大分南リトルシニアで九州大会4強。大分進学後は1年秋に背番号1を獲得。2年秋から投手兼4番。1メートル82、70キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、弟。

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