デスパイネ 6番DHデビューへ 異例カクテル同時販売開始

[ 2014年7月29日 05:30 ]

フリー打撃を行うデスパイネ

 ロッテに新加入したキューバ代表の大砲アルフレド・ デスパイネ外野手(28)が、29日の日本ハム戦でデビューする。「6番・DH」が濃厚。28日はQVCマリンで最終調整を行い、フリー打撃では豪快な柵越えを連発した。13年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では大会最多の3本塁打を放った大物スラッガー。4位と低迷するチームの起爆剤となるか、そのデビュー戦に注目が集まる。

 キューバが誇る強打者が、臨戦態勢を整えた。実戦離れも問題ではない。QVCマリンでの最終調整では29スイングで5本の柵越え。度肝を抜くアーチを架けても、デスパイネは涼しい顔だ。

 「気持ちよく打てたね。自分の調子さえよければ、どのコースであっても右でも左でも中堅でも打てるよ」

 その言葉通り、外角低めの球は弾丸ライナーでバックスクリーン右横に叩き込んだ。続いて内角の厳しいコースは、左翼席奥の壁の最下部に直撃させた。「厳しいコースをあそこまで持っていくとはね…。今まであんな打者は見たことがない」。規格外のパワーを目の当たりにした伊東監督も舌を巻いた。

 24日に来日したばかり。翌25日から1軍練習に参加し、4日連続でフリー打撃をこなした。キューバはシーズンオフのため、本来であれば2軍で試合感覚を取り戻す調整が一般的。だが、本人の意向を尊重して、即1軍デビューが決まった。「時差ボケも大丈夫。打順は何番でも問題ない。準備はできているよ」。すべては自信の表れ。指揮官は起用法について「DH。打順は最初は6番か7番になる」と語った。

 待望の右の大砲の加入に、早くも「デスパイネ・フィーバー」が始まっている。球団はQVCマリンでのデビューに合わせて、ラム酒とバナナリキュールをベースに、キューバ代表のユニホームをイメージした真っ赤な「キューバの至宝・デスパ カクテル」の販売を開始する。8月5日には背番号入りTシャツに加え、キューバ国旗をデザインした来日記念Tシャツも発売予定。

 デビュー前にグッズ販売が決まるのは球団初で、関係者は「異例の対応は期待感を込めたもの。新たなグッズ製作も検討中です」と明かした。

 通常、平日ナイターの前売りは3000枚程度だが、29日分は既に1万枚以上が売れた。「最初の試合で本塁打が打てれば、自分もチームも乗っていけるね」とデスパイネ。大観衆の中で、カリブ海からの使者がついにベールを脱ぐ。

 ◆アルフレド・デスパイネ・ロドリゲス 1986年6月17日、キューバ生まれの28歳。マニュエル・ファハルドキューバ国立体育大卒。07年からキューバ代表の中核となり、08年北京五輪で銀メダル獲得。09、13年と2大会連続WBC出場。13年は大会最多タイの3本塁打。2大会通算11試合に出場し、打率.314、4本塁打、10打点。キューバ国内リーグでは3度の本塁打王を獲得し、通算220本。1メートル75、104キロ。右投げ右打ち。

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