大隣 難病に勝った!夫人がいたからこそ苦しみ半分、喜び2倍に

[ 2014年7月28日 05:30 ]

<ソ・オ>422日ぶりの先発マウンドに立った大隣

パ・リーグ ソフトバンク3-2オリックス

(7月27日 ヤフオクD)
 涙は見せなかった。本拠地のお立ち台に立ったソフトバンク・大隣は優しい笑みを浮かべ、バックネット裏を見た。ハンカチで目頭を拭う優子夫人(29)の姿があった。感謝の思いを伝えた。

 「苦しい時も常に明るく、プラスの言葉を掛けてくれてありがとう。これからも頑張ります」。昨年6月に国指定の難病、黄色じん帯骨化症の手術を受け、復帰後初先発。最後に先発し、勝利した昨年5月31日の広島戦(ヤフオクドーム)以来、422日ぶりの白星をつかみ取り「上出来すぎるほどの自分のピッチングだった。また一歩踏み出せた」と振り返った。

 直球の最速は140キロ。復帰前の球威に完全には戻っていないが、通算44勝の左腕には技術がある。初回、1点先制され、なおも1死一、二塁。主砲ペーニャに対し、内角にスライダーを投げ、バットをへし折り、投ゴロ併殺に仕留めた。2回以降も内角へのスライダーと外角へ沈むチェンジアップでコーナーに投げ分け、的を絞らせなかった。「自分にとっても、チームにとっても大事」と誓った首位攻防戦でオリックスを相手に7回を3安打1失点。108球で首位堅持に貢献した。

 1年近いリハビリは手術の様子を収めたDVD観賞から始まった。ノミのような道具で背中を叩き割られる場面も目を背けなかった。難病を正面から受け止めるためだ。背中には縦15センチの手術痕が残る。左足に残ったしびれを克服するため、シャワーの温度を45度を超える上限まで設定。「熱い、熱い」と叫びながら、感覚を思い出させた。1月の沖縄自主トレまで同行し、全てをサポートしてくれたのは優子夫人。2人で歩んだ分、苦しみは半分になり、喜びは2倍に広がった。

 「何かの形でいろんなことをやれれば」。難病に苦しむ人へ手を差し伸べたい思いが強く、基金を設立することを検討している。「まだ1勝しただけ。先発として1年間仕事ができるようになってから」。完全復活という言葉はその時まで取っておく。

 ▼ソフトバンク・秋山監督 本当に良かった。これから(先発ローテーションに)入ってくるのが、あいつの目標。

 ▽黄色じん帯骨化症 脊髄の後ろにある椎弓と呼ばれる部分を上下につなぐ黄色じん帯が骨化して、脊柱管内の脊髄を圧迫する病気。初期症状として主に下肢の脱力やしびれがみられる。悪化すると両下肢まひを来すこともあり、日常生活に支障が生じる可能性もある。国の特定疾患に指定されている難病で、原因は不明。症状が進行している場合、手術が必要になる。楽天・星野監督、巨人・越智も難病を患い手術している。

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