市和歌山10年ぶり現校名では初 延長10回サヨナラで決めた

[ 2014年7月27日 05:30 ]

10年ぶりの甲子園出場を決め、歓喜する市和歌山ナイン

和歌山大会決勝 市和歌山3―2智弁和歌山

(7月26日 和歌山市紀三井寺)
 市和歌山の聖地へつながる虹が左中間に伸びていく。延長12回、2時間42分の激闘に訪れたラストシーン。サヨナラ打を放った瀬戸口も、11回まで投げ抜いた赤尾も声にならない叫びを上げる。09年に市和歌山商から変わった、市和歌山の校名での初の甲子園。半田真一監督は眼鏡の奥の瞳を細めた。

 「いや~、高校生はすごいな、と思いました」

 全国屈指の強豪に真っ向勝負を挑み、そして撃破した。赤尾が毎回のように走者を許しながら、初回の1点だけで試合を壊さない。7回に追いつき、望むところの延長戦勝負。11回に1点を失った裏、1死二塁から捕手の田中、力投の赤尾に次々と代打を送り、阿部が執念の同点打で期待に応えた。

 延長12回には、今大会初登板の稲垣和をマウンドへ。大胆な采配の陰で、6犠打を決めた細心さが光る。そして34歳の青年指揮官は選手の人心掌握も巧みだ。延長12回1死一、二塁のクライマックス。ベンチで瀬戸口に声を掛けた。「おまえはタイミングが合ってないから替えるぞ」。ここまで5打席凡退の3年生が発奮しないはずがない。「自信はなかったけど、大丈夫ですと答えました」。12年夏の和歌山大会終了後に24年間チームを率いた真鍋忠嗣前監督からバトンを受け継いだ時、誓ったのが「対話の重要性」。哲学が最も大事な場面で生きた。

 不思議な巡り合わせだ。前回出場が10年前で、その前が20年前。「周期」を知るOBは「今年はうちの番やな」と期待を寄せた。前夜には愛知学院大時代の1年後輩で、一足早く出場を決めた沖縄尚学の比嘉公也監督から「先輩、待ってます」の激励メールも。「まだ市和商のイメージが強いので、それを覆せるように頑張りたい」。灼熱(しゃくねつ)のマンモスで、新しい歴史が始まる。

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