柳瀬今季初勝利“投げる喜び”感じて2回零封好救援

[ 2014年7月24日 05:30 ]

<ソ・ロ>6回2死一塁、川本をニゴロに打ち取りグラブを叩く柳瀬

パ・リーグ ソフトバンク5-4ロッテ

(7月23日 ヤフオクD)
 勇気100倍だ!ソフトバンクは23日、秋山幸二監督(52)の積極的な采配が実り、ロッテに逆転勝ち。今季、ヤフオクドームでのロッテ戦は7戦7勝だ。2番手で出たベテランの柳瀬明宏投手(31)が2回無失点の好救援で今季初勝利。アンパンマンが始球式を務めた試合で柳瀬は燃え盛るカチドキレッドの熱い声援を勇気にかえた。

 柳瀬は笑っていた。2イニング目に入った7回1死走者なし。岡田、鈴木と左打者が続く。間を取った郭泰源投手コーチに「行けるか?」と問われると「行くしかないでしょう」とニヤリ。そもそも左打者には強い。2回を1安打無失点で切り抜け、昨年8月13日の西武戦(西武ドーム)以来344日ぶりの白星を飾った。

 2度の右肘手術など育成選手から復帰した12年6月13日の中日戦以来2年ぶりのお立ち台。平常心の投球だったと聞かれ「いつも通り投げましたね。あまり、考える力がないので」と笑わせる余裕もあるベテランだ。

 舞台裏は、火の車だった。本来ならば7回を任せるはずの岡島が、試合前練習でふくらはぎ痛を発症。新垣のトレード移籍で生え抜き投手で最も古株となった右腕が、その穴を埋め、ムードも一変させた。1点リードされた6回。「ビハインドの場面で登板する機会が多い。流れを変えたいと思った」。先制2ランのハフマン、うるさい今江と2者連続三振。小気味よい投球で打線に活力を送り、その直後の逆転劇へとつなげた。

 「疲れがなかったと言えばウソになるけど、3連投できたし、気持ちは強く持てていた」と柳瀬。今季初の3連投をした15日のロッテ戦(QVCマリン)の試合後、監督室に呼ばれた。疲労を考慮され、リフレッシュの出場選手登録抹消を打診された。だが、今月8日に31歳になった右腕は首を振る。10年の右肘じん帯再建手術(トミー・ジョン手術)から4年たち「連投も問題ない。強くなっている」と自信をつけていた。

 試合前には同姓“やなせ”たかし原作の「アンパンマン」が始球式を務めた。「(血縁は)つながっていないと思います。おそらくですね」。アンパンチならぬ度胸と必殺フォークでヒーローになった。首位攻防を前に首位・オリックスに食らいつく逆転劇。ヤフオクドームでのロッテ戦も今季7戦全勝としてみせた。

 ♪そうだ、うれしいんだ投げる、喜び♪ そんなことを感じ、柳瀬は1球に魂を込めている。

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2014年7月24日のニュース