横浜のエースが完全復活!伊藤、救援で10者連続三振

[ 2014年7月24日 05:30 ]

<湘南・横浜>8回2死、伊藤は10者連続となる10個目の三振を奪う

神奈川大会4回戦 横浜8-3湘南

(7月23日 保土ケ谷)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は23日、38大会で150試合が行われた。神奈川大会では横浜のエース左腕・伊藤将司投手(3年)が湘南戦で救援登板し、10者連続三振を奪う快投。チームを5回戦進出に導いた。

 三振を奪うたびに湧き上がるスタンドのどよめきが心地よかった。試合後、仲間に「どこまで三振取るのかと思った」と言われた横浜のエース左腕・伊藤はニコニコだ。完全復活を告げる10者連続奪三振。報道陣から「エース復活だね?」との問いに、大きな声で「はい!」と答えた。

 奪三振ショーの幕開けは5回。3戦連続で先発した2年生左腕・春日井が2死二塁からまさかの2ランを浴び、追いつかれた。「3年生の意地を見せたかった」。このピンチを空振り三振で切り抜けると、130キロ台ながら打者の手元で伸びる直球を次々に四隅に決める。6回、7回、8回といずれも3者連続三振。この時点で10者連続だ。「9回は狙った」というが、先頭打者に中前へ運ばれて記録は止まった。それでも1つ加えて、4回1/3を1安打無失点で11奪三振。湘南相手に冷や汗の展開も7回以降の打線爆発を呼んだ。

 どん底からはい上がった。2年春から名門校の背番号1を背負い、昨夏の神奈川大会準々決勝では桐光学園の松井裕(現楽天)に投げ勝った。しかし、今春センバツでは不調に陥り、八戸学院光星(青森)に打ち込まれて初戦敗退。関東大会は44年ぶりに公式戦でコールド負けを喫した。

 原因は制球の乱れ。グラウンドにある幅約50センチ、長さ約2メートルの平均台を寮に運びこみ、その上で毎日30分間のシャドーピッチングを繰り返した。「軸足がブレなくなって、思い切り腕を振っても制球が利くようになった」。右肩が開くクセを直すため、ブルペンでは2枚のネットの間に挟まれながら投げこんだ。大先輩の松坂大輔(現メッツ)らも取り組んだ練習。名門のエース道を歩み、復活を遂げた。

 「僕がしっかり投げれば浅間や高浜がチャンスで打ってくれる。お世話になった小倉(清一郎)コーチも最後だし、優勝して甲子園に行きたい」と伊藤。3季連続の聖地へ追い風が吹いてきた。

 ◆伊藤 将司(いとう・まさし)1996年(平8)5月8日、千葉県生まれの18歳。小1から横芝フェニックスで野球を始める。横芝中では軟式野球部。3年春にKボールのオール山武に所属し、県大会優勝。横浜では1年秋からベンチ入り。2年春からエース。家族は両親と弟、妹。1メートル77、73キロ。左投げ左打ち。

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2014年7月24日のニュース