公立旋風だ!都小山台8強!伊藤6安打8K1―0完封

[ 2014年7月22日 05:30 ]

<都小山台・朋優学院>6安打完封した都小山台のエース伊藤

東東京大会5回戦 都小山台1-0朋優学院

(7月21日 神宮第2)
 各地で公立高校が躍進だ。今センバツに21世紀枠で出場した都小山台が、東東京大会5回戦で朋優学院を1―0で下し、2年ぶりの8強進出を決めた。エース右腕の伊藤優輔投手(3年)が6安打8奪三振で完封勝利。春夏連続出場へ前進した。青森大会でも準決勝で青森が強豪の青森山田に5―3で逆転勝ちし、01年以来13年ぶりの決勝進出を決めた。
【7月21日の試合結果】

 あえて三振は狙わなかった。伊藤が最後の打者を三ゴロに打ち取り試合は終わった。エースの成長が詰まった1―0完封勝利だった。

 「相手は格上なので、1点差の試合になると思っていた。絶対先に点はやらないつもりだった。細かい制球よりも、気持ちを前面に出して投げられた」

 バックを信じ、腕を振った。立ち上がりから球は走っていなかったが、ファウルでカウントを稼ぎ、ボール球を振らせた。5回には一塁走者をけん制で刺した。「けん制は中学時代から得意で、3種類くらいパターンを持っている。リードの幅で刺せるか分かる」と言うほど自信を持つ技で自らを救った。6回に河合の中越えソロで待望の1点が入ると「ギアを上げて、エンジン全開で投げた」。7回は連続四球で一、二塁のピンチを招いたが、併殺でしのいだ。

 9回のマウンドに上がる際には、1年間忘れることのなかった教訓を思い出した。昨夏の日体荏原との2回戦。9回2死無走者から、逆転負けを喫した試合だ。「あれで先輩を引退させてしまった。中盤以降はきつくなったけれど、最終回を大切に投げようと思いました」。最後まで気を緩めず、三振で締めるという欲も出さず、3者凡退に斬った。

 21世紀枠で初出場した今センバツ。都立勢初勝利を狙ったが、初戦で履正社(大阪)に10四死球11失点で大敗した。全国の舞台を経験し、伊藤の考えに変化が生まれた。「春は守備をちゃんと信頼できてなくて三振ばかり狙っていた。でもエラーで崩れるのは投手の責任だし、ミスをカバーするという気持ちが出てきた」。四球で崩れる悪癖は、センバツ後に的当ての練習を始め、制球力を磨いたことで改善した。守備陣も無失策でエースの力投に応えた。

 都立勢では、都雪谷に次いでの8強入り。準々決勝は甲子園に春夏通算26度の出場を誇る強豪・帝京に挑む。春夏連続出場へ、伊藤は「格上相手だからやりやすい。チャレンジャー精神を全部出し切って臨みたい」と闘志を全開にした。

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2014年7月22日のニュース