ライアン小川101日ぶり復活勝 エルド斬り「悔いのない球投げた」

[ 2014年7月22日 05:30 ]

<ヤ・広>7回無失点、9奪三振の好投で101日ぶりとなる4勝目を挙げた小川

セ・リーグ ヤクルト3-2広島

(7月21日 神宮)
 強気のライアンが戻った。3―0の3回。ヤクルト・小川は2死満塁とされ、打席に4番エルドレッドを迎えた。一発出れば逆転の場面で逃げなかった。この日最速の146キロ直球を内角に投じ、空振り三振を奪った。

 「迷いなく腕が振れたし、悔いのない球を投げた。力が伝わったから空振りが取れたと思います」。一球一球に強い気持ちを込め、7回6安打無失点。毎回の9三振を奪い、4月11日DeNA戦(横浜)以来101日ぶりの4勝目を手にした。

 「後半戦のスタートなので絶対に勝ちたかった」。4月18日阪神戦(甲子園)で打球を受け、右手有鉤骨鉤(ゆうこうこつこう)骨折と診断された。ボールを投げることはもちろん、右手で食事を取ることさえできなかった。落ち込んでいた時、母校の創価大・岸雅司監督から「この期間があったから、と思える時が来る。絶対今後に生きてくる」と言われた。「僕より人生経験の長い方がポジティブな話をしてくれて、ケガをプラスに捉えられるようになった」。前向きにリハビリに取り組めるようになり、弱点だった太腿裏の強化にも励んだ。携帯電話にある動画もモチベーションになった。1月にダルビッシュと合同自主トレを行った際、知人に頼んで撮影してもらったキャッチボールの映像だ。イメージトレーニングでフォームの感覚を保った。

 離脱した3カ月を進化の期間に変えた。人生初の骨折は不運な故障に思えたが、小川にとっては違った。16勝を挙げ、新人王と最多勝を獲得した昨オフは多忙を極め「肩や肘の張りが取り切れなかった」と振り返る。そのため開幕時から自身のフォームに違和感を感じていたという。「体が一塁側に流れて、力が逃げてしまっていた。だからああいう打球が…」。打球直撃は不調が招いた必然だったと分析。キャッチボールを再開すると、体の開きを我慢することを徹底的に確認した。

 復帰初戦の12日DeNA戦(神宮)は5回5失点。空振りを奪えなかったが、この日は直球に加え、フォークやチェンジアップでも面白いように空振りを奪った。次回は自身初の中5日で27日DeNA戦(神宮)に先発する。「前半戦投げられなかった分、フル回転して一つでも多く勝ちたい」。後半戦初戦に見せた大黒柱の頼もしい姿。復活を印象づけた107球だった。

 ▼ヤクルト・小川監督 勝因は小川の好投。気持ちが入っているのを見ていて感じた。(他の投手陣が)見習うべき投球。

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