プロ注目の新日鉄住金かずさマジック・加藤 期待通り7回0封

[ 2014年7月22日 05:30 ]

<新日鉄住金かずさマジック・永和商事>7回無失点と好投の新日鉄住金かずさマジック先発・加藤

都市対抗野球第4日・2回戦 新日鉄住金かずさマジック4―1永和商事ウイング

(7月21日 東京ドーム)
 2回戦3試合が行われ、昨年の日本選手権を制した新日鉄住金かずさマジック(君津市)はエースの加藤貴之投手(22)が7回無失点と好投し、初出場の永和商事ウイング(四日市市)を4―1で退けた。日本新薬は新日鉄住金東海REX(東海市)に4―3で逆転勝ち。Honda鈴鹿(鈴鹿市)は8回に1点を勝ち越し、県勢初勝利を狙った沖縄電力(浦添市)に3―2で競り勝った。

 評判通りの投球だ。序盤から切れのある直球を武器に加藤は相手打線を封じ込めた。7回を4安打8奪三振、無失点。「自分の持ち味の真っすぐで勝負できたのが良かった」とエースは胸を張った。

 初回は打者3人に対し、14球全て直球勝負で3者凡退。4回2死から福田に初安打となる右前打を許すと、連打を浴び一、二塁。それでも「2ストライクに追い込んだから、真っすぐで三振が取れると思った」と中居を外角高めの直球で、狙い通りの空振り三振に斬って取った。

 異例の経歴をたどってきた。拓大紅陵(千葉)ではエースだったが、打撃力を評価されて内野手として入団。だが、守備が下手だったこともあり、入社2年目の夏、鈴木秀範監督から「きょうからピッチャーをやれ」と投手への再転向を命じられた。

 迷いはない。むしろ気持ちは高揚した。「よっしゃという気持ちでした」。心の底では投手への未練があったからだ。2年間のブランクで肩を痛めた時期もあったが、徐々に感覚を取り戻し、昨季は救援で都市対抗、日本選手権と全国を経験。今季はエースとして先発マウンドを任された。

 今冬からは1日300球の投げ込みと走り込みでスタミナを強化した。この日は7回92球でマウンドを降りたが、「まだまだ投げられた。先発で投げるからには9回を投げきりたい」と物足りない様子。鈴木監督は「予想通りというか、これくらいは投げると思っていた」と評価した。

 プロ球団が見守る前で快投した4年目左腕は「プロ野球選手は小学生の時からの夢」。一番の近道は、全国舞台での快投だ。

 ▼広島・苑田聡彦スカウト統括部長 後ろがゆっくりで、腕が急にバッと出てくるから、打者はタイミングが取りづらいのではないか。

 ▼巨人・山下哲治スカウト部長 真っすぐの質が良い。スピード表示よりも球が来ているんでしょう。左投手だし、(ドラフトで)人気が出るだろう。

 ◆加藤 貴之(かとう・たかゆき)1992年(平4)6月3日、千葉県生まれの22歳。小学2年時に「白浜ブルーホークス」で野球を始め、5年から投手。白浜中では軟式野球部に所属。拓大紅陵に進み、2年春からベンチ入りも3年夏は千葉大会4回戦で習志野に敗れ、甲子園出場はなし。1メートル82、80キロ。左投げ左打ち。

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