東亜学園、東東京移籍後初8強!小沢劇的3ランで逆転サヨナラ

[ 2014年7月22日 05:30 ]

<東亜学園・岩倉>逆転サヨナラ勝ちを喜ぶ東亜学園ナイン

東東京大会準決勝 東亜学園8-6岩倉

(7月21日 神宮)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は21日、37大会で208試合が行われた。東東京大会では東亜学園が岩倉を8―6で下し、昨年の地区割り再編で東東京に移転後、初の8強入り。1点差の9回に小沢賢太外野手(3年)が逆転サヨナラ3ランを放った。

 一塁ベースを回った所で、小沢は右手人さし指を突き上げた。そのままナインが待つホームへ。仲間が泣いていた。自らの目も、すぐに潤んだ。

 「打った球は覚えていない。最初は詰まったかなと思ったけど、外野が下がっていたので、入ったんだなと。サヨナラ打は初めて」

 1点差に迫った9回2死一、三塁で、この日5度目の打席が回ってきた。2球目のスライダーを強振し、三塁側へのファウル。直球を挟み、4球目のスライダーを再び振り抜いた。打球は神宮左翼席に飛び込む逆転サヨナラ3ランとなり「ファウルを打った時に(体の開きが)早いと思った。少しタイミングを遅らせたらいい感じだった」。崖っ縁に追い込まれながら、頭は冷静だった。

 昨秋にレギュラーをつかむと、最後の夏は4番で迎えた。だが、初戦で無安打に終わるなど2試合で2安打止まり。この日は6番に下げられた。「調子が悪いので仕方がない。6番なら6番の仕事をしようと思った」と、切り替えて試合に臨んでいた。記念球が手元に戻ると「親にプレゼントしたい」と笑った。

 30年目のベテラン・上田滋監督は「半分諦めていた。逆転サヨナラホームランは30年やって記憶にない」と興奮を隠せなかった。昨年の地区割り再編で西東京から東東京に移転。2年目の夏に8強入りを果たした。89年以来遠ざかる甲子園へ向け、これ以上ない劇的な勝利。最高の場面で高校通算11号を放った小沢は「自分が打てば勝てる。絶対に打つつもり」と力を込めた。

 ◆小沢 賢太(おざわ・けんた)1996年(平8)4月27日、東京都生まれの18歳。小2から小平西野球部で野球を始める。小平五中では東村山シニアに所属。東亜学園では2年秋からベンチ入り。好きな選手は日本ハム・中田。1メートル76、79キロ。右投げ右打ち。

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